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2019年11月 5日 (火)

水田農業のあり方(その7)

水田農業のあり方(その7)
おわりに


生源寺真一は、「日本の農業の真実」のなかで、『ひとことで農業政策といっても、その範囲は実に広い。しかし、日本農業最大の問題は水田農業にある」と述べている。そこで、水田農業に焦点を絞って、「農業再建」と「日本の農業の真実」を読んだ。そして、危機的状況にある水田農業にも大いなる希望があることを私なりに理解した。

しかし、水田農業を生源寺真一の描く姿にまで持っていくには、やはりいくつかの課題があるように思われる。

例えば・・・、生源寺真一は、『 農業経営の厚みを増す戦略のひとつは、土地利用型農業の生産物自体の付加価値をめることである。例えば、環境に配慮した減肥料・減農薬の生産物を提供する。有機農業も付加価値をアップする取り組みとして有効であろう。これら環境保全型農業のポイントのひとつは、的確な情報発信を伴っているということである。情報発信の手段はいろいろある。表示による伝達もあれば、インターネットを利用する発信もある。あるいは、例えば生協の産直は産地との交流をひとつの条件にしているが、交流の場におけるコミュニケーションによって生産プロセスの工夫を伝えることもできる。このような多彩な情報発信の取り組みはそれ自体として若い人材を引きつける要素であり、かつ、若者が得意とするジャンルの仕事である。』・・・と言っているが、

そのような農家の取り組みだけに頼っていては、実効がなかなか上がらないのではないか。そこで私が思うには、国直営の研修制度を作って、全国あちこちで行われている魅了的な先進事例を若い担い手に学ばさせるというようなことができないか。

生源寺真一の提案には、個々の農家や農村集落の自主的な取り組みが多いが、それを支援する国の政策が必要かと思われる。

 

支援ではなく、国自らの問題もある。例えば、農地法に関連して、生源寺真一は次のように言っている。すなわち、

『 農地法の理念はよい。しかし、理念のもとにある法律や制度の枠組みに改善の余地がないわけではない。農地の貸借・売買の領域に限定すると、最大の問題は法制度が複線化した状態になっていることである。もともと農地法一本であった農地の権利移転の制度的なルールには、農地法の改正や新たな法律の施行などの経緯を経て、現在では農業経営基盤強化促進法による権利移転、同法のもとで農地保有合理化事業によって仲介される権利移転が加わってる。大きく三つのルートからなっているわけである。そして、それぞれのルートの運用は別々の組織に支えられている。もともと農地法のルートは農業委員会である。委員の大半は選挙で選ばれた農家の代表である。農業経営基盤強化促進法による権利移転は市町村、農地保有合理化事業h農地保有合理化法人である。農地保有合理化法人は農地の一時保有機能を持つことで、貸し手(売り手)と借り手(買い手)の仲介を行う機関であり、都道府県レベルに設置することができる。

このようなややこしいことになっているので、複線化した組織の機能をひとつの傘のもとに統合すべきである。ワンフローアー化である。』・・・と。


以上のように、国が農家なり農村集落なりに支援するものと国自らが取り組むものがあるのではないか。

政治の役割および行政の役割の重要性は絶大である。国は、生源寺真一の「日本の農業の真実」を奥深いところから理解の上、水田農業の再生、地域再生のために全力を尽くしてほしい。


「はじめに」にも申し上げたが、『おわりに」再度申し上げる。故郷は、実際の故郷のみならず、心の故郷も含めて、ただ単に懐かしいという思いを抱かせるものにとどまらず、哲学的意味を持ったものであり、絶対に守りとおしていかなければならなものなのである。

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