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2018年11月 1日 (木)

地方創生の成功のために(その15)

地方創生の成功のために(その15)
おわりに(その1)

第4章で述べたように、特別立法によって、東京都内の全国企業の本社に限って、法人税等の実効税率(平成30年度29.74%)は据え置き、その他のものについては、実効税率25%を目指すべきである。
そうすれば、企業の「本社」の移転が進み、東京一極集中はそれなりに是正されるに違いない。
そういった東京一極集中是正に対する国の取り組みが大前提になって、地域の取り組みが行わなければならない。東京一極集中是正に対して国が本気になって取り組む姿が見えてくれば、地域も本気になって地域の元気再生に取り組むであろう。そんな思いを込めて、ここでは「地域の役割」について述べておきたい。田舎の人は、私の考えも参考にしていただき、田舎の良さと田舎暮らしの良さを再認識してもらいたい。それが地域の役割である。
1、神は、歴史的に見て、いろいろな国というか場所で、いろいろな場面場面というかいろいろな時に、人びとに感じられてきたというか現れてきた。しかし、そういう神の立ち現れる場所というのはどういうところなのか? すなわち、神は時空を超えて現れるのだが、そもそも神の立ち現れる場所とはどこなのか? それは「故郷」だ。そういう意味で故郷という言葉が使われており、必ずしも私たちが日頃使っているな意味での故郷ではない。しかし、私は、ハイデガーのいう「故郷」を私たちの日頃使っている故郷というか田舎をイメージしている。
2、田舎を生きる人のために、人びとが食っていける仕事がなければならぬ。その基本は農業だ。市場経済は競争が原理である。その原理にしたがって農業のあり方が考えられており、「地産地消」などと言われているが、これは大規模農業を目指すものであって、百姓の行う「農」、本来の「農」とは論理が逆である。地域の自立を目指すのであれば、「地産地消」という市場原理で競争に明け暮れる生産者の論理でなく、逆に、地域で消費するものについては地域で作れという「地消地産」でなければならないのである。
3、田舎の地域づくりは、まず「スピリット」、これは鬼や天狗や妖怪などと言い換えてもいいのだが、そういう妖しげなものが立ち現れうるような「場所づくり」から始めなければならない。わかりやすく言えば、河童の棲む川づくりとか天狗の棲む森づくりである。トトロの棲む森づくりでもいい。養老孟司の「脳と身体の学習プログラム」が展開できる場所づくりと言っているのだが、子供たちが感性を養い身体を鍛える学習プログラムを作って、それを全国いたる田舎に展開しなければならない。
4、農に生きる人、山に生きる人には、自ずと「野生の思考」というか「野生の精神」が身に付くが、私たち町に住む都会の人間はそうはいかない。だからおおいに山登りをやって「野生の精神」を身につける必要がある。田舎には特に有名な山でなくても良い山がいっぱいある。それが田舎の魅力の一つである。田舎の人はそういう認識を持ってもらいたい。
5、北極星を神格化した信仰に妙見信仰があるが、妙見信仰は、道教、仏教、陰陽道などが習合し現在に至っているが、旧石器時代の人々や縄文時代の人々に北極星に対する信仰がなかったとは思えない。それを証明する何物もないが、私にはそう思えて仕方がない。自然崇拝は世界各地に見られ、その対象はさまざまな自然物と自然現象である。その中に北極星があっても何の不思議はないのであり、私は、これからの田舎においては、北極星を拝む場所を作るといいのではないかと思っている。

6、全国それぞれの地域に氏神さんがおられるし、山の神、田の神、水の神などの祠もあり、地域の人々のお参りがある。しかし、今ではなくなって、その形跡が残されて居るだけというものも少なくない。そういう昔は神が祀られていたというところには、神が降臨する依代(よりしろ)とする柱を建てるという提案をしたい。田舎において神が降臨する依代(よりしろ)とする柱を建てることによって、田舎に対する「神の働きかけ」が深まるというになる。そうすれば田舎の人々の幸せが増えるであろう。きっと田舎にやってきて、田舎暮らしをする人も増えるに違いない。

7、全国に囲炉裏の愛好家が少なくないようなので、大いに「囲炉裏の良さ」を語ってもらいたいものだ。そうすれば囲炉裏を楽しむ人が増え、地域に「神とのインターフェース」が増えるように思う。そうすればその地域に対する「神の働きかけ」が深まり、その地域の人々の幸せが増えるであろう。きっとその地域にやってきて、田舎暮らしをする人も増えるに違いない。囲炉裏を増やすことは田舎の地域再生の一つの手段になりうると思う。

8、都会ではなかなか火を焚くということは難しいが、田舎では今も囲炉裏のある家も残っているし、薪ストーブのある家も少なくない。また、田舎の祭りでは火を焚くことも少なくない。キャンプに来た人は大抵キャンプファイヤーをするのではないか。だから、田舎の火の好きな人は、囲炉裏や薪ストーブのある家に出かけて行って「飲み会」をやると良い。どんど焼きの復活も考えてほしい。また、その地域に体験学習に来た子供たちには、キャンプファイヤーをして地域としてもてなしてやったらいい。火は田舎における交流の一つの手段になりうると思う。

9、農業経営の厚みを増す戦略のひとつは、土地利用型農業の生産物自体の付加価値をめることである。例えば、環境に配慮した減肥料・減農薬の生産物を提供する。有機農業も付加価値をアップする取り組みとして有効であろう。これら環境保全型農業のポイントのひとつは、的確な情報発信を伴っているということである。情報発信の手段はいろいろある。表示による伝達もあれば、インターネットを利用する発信もある。あるいは、例えば生協の産直は産地との交流をひとつの条件にしているが、交流の場におけるコミュニケーションによって生産プロセスの工夫を伝えることもできる。このような多彩な情報発信の取り組みはそれ自体として若い人材を引きつける要素であり、かつ、若者が得意とするジャンルの仕事である。


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