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2018年8月 7日 (火)

リズム論(その32)

リズム論(その32)

第3章 無について(その2)

第2節 空について

 私は、日本の歴史と伝統文化の象徴が天皇だと考 えており、その心髄は空(くう)にあると考えている。そういう観点から天皇について勉強し、「空(くう)」について勉強してきた。
http://www.kuniomi.gr.jp/geki/ku/index.html

 私は、私なりに「空(くう)」の勉強をしてきたが、いろんな本を見てみても、「空」は満ちているのだと書いている本はほとんどなく、私の知る限 り、仏教の心髄を判りやすく熱心に説いてくれている人はダライ・ラマや中沢新一のほかあまりいないようだ。「ダライ・ラマの般若心経」(大谷孝三<文>、菊地和男<写真>、2004年9月、ジェネオン・エンタテイメント)という本に紹介されているように、ダライ・ラマは「空は形あるものを生成させる基盤となる。」と言っている。また、中沢新一はその著書「精霊の王」のなかで「空(力の充溢した空間)」と言っている。そうなのだ。「空」は満ちているのである。

 仏教にもさまざまな宗派があるが、その源流を辿るとお釈迦さんに行く。「空(くう)」は、仏教の心髄であると同時に参禅などの体験は難しくても、お寺に宿泊して 和尚さんから「空(くう)」の話しを聞くツアーなどは実現可能だ。妙心寺の大心院には毎年ポートランドの高校生が合宿にやってきて、毎朝和尚と一緒に『般若心経』を読むのだそうだ。そして、精進料理を食べ、茶道のまねごとをする。生け花を鑑賞し、日本庭園を鑑賞する。そういうお寺での体験はきっと好評にち がいない。

日本の仏教は殆どすべて大乗仏教に属するものであるが、大乗仏教の根本思想は「空(くう)」の理法をさとることであると言われている。「空(くう)」の理法は、詳しく説けば限りがなく、『大般若経』六百巻のようなものもあるが、簡単には、『般若心経』の中におさまると言われている。そのために、この『般若心経』は、日本の各宗派で熱心に読まれている。しかし、浄土宗と浄土真宗では読まない。浄土教では往生に必要なのは「南無阿弥陀仏」の念仏を唱えるだけで 十分であり、『般若心経』は不必要と考えているためだ。
  ここで注意してほしいのは、浄土宗や浄土真宗が『般若心経』を読まないからと言って「空(くう)」の理法を否定している訳ではないということだ。したがっ て、浄土宗や浄土真宗もそれぞれの立場で「空(くう)」を語ることはできる。

  京都大学名誉教授で梶 山 雄 一という大先生がいて、その先生が「空と浄土」というテーマで語っておられるので、大変難しい内容であるが、ここではそれを紹介することとしたい。ホワイ トヘッドいうところの「永遠的対象」と同じようなものであるのかどうか、まだまだ私の勉強すべき事柄が多そうだ。
http://h-kishi.sakura.ne.jp/kokoro-212.htm

  要点は次の通りである。
* 龍樹は、「この世は夢であり、幻である」と考えた。「全てのものは、実は本質が空なものであり、そして全てが仮名(けみょう)だ」と。「仮に名付けられ た」、言い換えれば、「言葉だけのもの、概念だけのものを、我々がかってに実体があるんだ、と思っているに過ぎないんだ」と。
* それが、『般若経』であり、龍樹の思想であった。その考え方が曇鸞にも、或いは、その後の法然や親鸞というような人にも受け継がれている。
* すなわち、「浄土教というものの中にも、そういう空の思想が流れているんだ」ということを申し上げたい。

   先ほども申し上げたように、「空(くう)」は、仏教の心髄であると同時に日本文化の心髄でもある。したがって、外国観光客に日本文化の心髄を判っていただ くには、何んとしても「空(くう)」を語らねばならない。しかし、「空(くう)」を語るのは大変難し い。専門家が少ないということだ。したがって、観光関係者で文化観光研究会を作り、素人なりに文化の勉強や宗教の勉強を重ねていくことが必要かもしれな い。その上で、私としては、お寺さんに文化観光の一翼を担っていただくよう働きかけていきたい。

  寺は、貴重な地球的、宇宙的空間である。貴重なジオ的空間と言って良いだろう。おおいに「空(くう)」を語ってもらいたいものだ。

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