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2018年2月 8日 (木)

三国志(その3)

その3、劉備玄徳、平原の相となる

董卓は、辺境の将軍の1人にすぎなかったが、軍事力を背景に次第に頭角を現すようになった。霊帝死後の政治的混乱に乗じて政治の実権を握り、少帝弁(霊帝の崩御に伴い、何太后とその兄である何進により擁立された。)を廃して献帝(後漢最後の皇帝)を擁立し、一時は宮廷で権勢をほしいままにした。

献帝(けんてい)は、後漢の最後の皇帝。諱は協。霊帝(劉宏)の次子で、少帝弁(劉弁)の異母弟。生母の王栄は豊満な女性、聡明で算数が得意である。霊帝の寵愛を受けて、劉協を産むと、何皇后の嫉妬を受けて毒殺されたという。母を失った劉協は、霊帝の生母の董太后が住む宮殿で養育されたため、董侯と呼ばれた。

中平5年(189年)4月、霊帝が崩御すると劉弁が即位し、劉協は渤海王に封じられた。
同年秋7月、陳留王に移封される。 当時、朝廷では外戚であった何進の派閥と十常侍ら宦官の勢力が対立していたが、8月に何進が嘉徳殿の前で十常侍に暗殺されると、袁紹らが挙兵して押し寄せ、混乱に陥った。数日で宦官勢力は敗れた。しかし、その際に陳留王は少帝とともに張譲・段珪によって、雒陽(洛陽)から連れ去られた。変を知り軍を率いて上洛してきた董卓は宦官勢力を一掃、少帝と陳留王は董卓に保護され都に戻ることが出来た。その後、朝廷の実権は、董卓によって握られた。

董卓は曹操を仲間に引き入れようとするが、董卓の暴虐ぶりを見た曹操は妻子も連れずに洛陽から脱出し、故郷に逃げ帰った。

董卓暗殺を謀り賞金首となった曹操は中牟県で兵士に捕らえられてしまう。しかし、曹操の志を知った役所の役人陳宮は曹操を英雄と崇め、曹操に付き従い脱走する。逃避行中、曹操の内に秘めた恐ろしさにより、陳宮から見捨てられるものの、故郷に戻った曹操は全国に檄文を送り、袁紹を盟主とする董卓討伐軍を編成し、董卓軍と対決することとなった。

しかし、董卓軍には華雄という猛将がいた。董卓討伐軍の数々の武将が討たれる中、討伐軍に参加していた劉備の部下関羽が名乗りを挙げ、見事華雄を討ち取る。勝利に乗じて攻め込む討伐軍に、今度は呂布が立ちはだかる。これを、劉備、関羽、張飛の3人で退け、虎牢関まで攻め込んだ。
討伐軍の曹操と袁紹は董卓軍の壊滅をさせるため、王允に密書を送り、朝廷内外から董卓軍の挟み撃ちを謀る。その動きが董卓のしるところとなり、王允は取り調べられるが、黄巾の乱の折、王允の養女となった美しい娘・貂蝉の気転により、窮地を脱する。

討伐軍と朝廷内からの反乱を恐れた董卓は、都を洛陽から長安に遷都することを強引に決定する。何進と十常侍が共に滅び、董卓が朝廷の実権を握ると、橋瑁は三公の公文書を偽造し、董卓に対する挙兵を呼びかける檄文を作った(『後漢書』)。小説『三国志演義』では、檄文を作ったのは橋瑁ではなく曹操ということにされている。

かくして、董卓と反董卓軍との激烈な戦いが始まり、劉備らは大いに戦功をあげ、その功績によって平原郡の相となるのである。

三国時代、中国全土には10数箇所の州があった。その下に郡があり、その郡の下に県があった。 劉備は、県の令から郡の相に昇進する。何人かの県令を束ねる立場である。平原郡は、現在の山東省あたりの地域で、当時は青洲といった。いずれこの地域は曹操の支配する地域となる。

曹操は豫州の沛国譙県(現在の安徽省亳州市。徐州の西隣り。)生まれであり、その生誕地・沛国には沛国曹氏・沛国夏侯氏と優秀な親族が揃っており、この地方は曹操一族の勢力下にあった。 安徽省亳州市は、劉備が相を務めた平原郡に近い。
劉備は自ずと曹操一族ならびに曹操の勢力を意識せざるを得なく、曹操とは争いたくなかったに違いないが、平原相の時代に争っている。そのことについては、「その4」で詳しく説明するが、曹操は殺された亡父の仇討ちとして、徐州の陶謙を攻める。徐州の陶謙は正義の人であり、曹操の父を殺す気など全くなかったのだが、よからぬ部下が曹操の父を殺害する。もちろん部下の仕業とはいえ、その責任は主人にあるので、曹操は陶謙を仇とするのである。曹操は、10余城を陥落させるも、陶謙は籠城して出てこなかったため、翌年の春には兗州へと帰還。青州平原から陶謙の救援のためにやってきた劉備は、勢い、曹操と戦うことになるのである。

この当時、劉備の拠点は清州であり、曹操の拠点は豫州であった。そして、陶謙の拠点は徐州であった。劉備は陶謙の拠点城に居続けて、曹操と争うのである。

その3、劉備玄徳、平原の相となる :http://www.kuniomi.gr.jp/geki/iwai/heigennosyou.pdf


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