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2018年1月21日 (日)

大久保一翁(その10)

大久保一翁(その10)

大久保一翁は勝海舟と計らい官軍の真の実力者である西郷隆盛へ陳情して和平交渉まで漕ぎ着け、3月14日の西郷・勝会談により官軍の総攻撃が中止される事になった。この時の会談は勝の残した記録では自分一人で西郷と会ったとしているが、『岩倉公実記』では大久保一翁も居合わせた事になっている。
4月4日、勅使・橋本実梁、柳原前光と西郷隆盛が江戸城に入り、大久保一翁ら若年寄・大目付・目付陣が応対。慶喜の死罪免除と謹慎、武器明け渡し、慶喜に助力した幕臣の処分などに関する勅命を受け、11日に江戸城の明け渡しが実施された。

こうして抗戦派の反感や暗殺の危険に遭いつつ、大久保一翁は勝海舟と共同で徳川家の敗戦処理を無事に全うする事ができたが、幕府瓦解と同時に所持していた書類を燃やしてしまったため実際にどのような活動をしていたのか良く分かっていない。ただ、勝海舟の記録 「幕府始末」 にその活動と評価の一端が窺える。

諸有司に棟梁として万事を総裁するものは大久保一翁なり。一翁はその質謹厳、識あり学あり、今日の難に当たりて方正を以て終に不撓。能く諸官の進退且つ諸般の処分、還納の順序において順々として条理を錯乱せしめず、誠にその区画よろしきを得しめたる者は、その力とその勤勉によってなり。(「幕府始末」)

8月初め、大久保は駿府に移住し、徳川家と家臣団の移住費用の問題に取り組んだ。


 

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