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2018年1月 4日 (木)

大久保一翁(その5)

大久保一翁(その5)

嘉永6年、ペリー艦隊が来航(いわゆる黒船来航)、開国を要求されると、幕府老中首座阿部正弘は幕府の決断のみで鎖国を破ることに慎重になり、海防に関する意見書を幕臣はもとより諸大名から町人に至るまで広く募集した。これに海舟も海防意見書を提出、その意見書は、大久保忠寛が海防掛になってから大久保忠寛の目に留まることとなり、大久保忠寛は勝海舟という偉大な人物を知ることになる。

勝麟太郎の【 海 防 意見書 】は次の通りである。

私義,若輩を顧みず,国家の御大切の御義ども申しあげ候は,誠に以て死罪の至りに御座候えども,数代莫大の御国恩にも浴し居り候身分,まことに新しく憂慴つかまつり候儀につき,恐れを顧みず愚喪の義,謹みて申しあげ奉候

第一:御人選の儀,厚く御世話遊ばされ,下情上に達し候様,遊ばさるべく候事
●身分を問わず有能な人材を登用する。

第二:海国兵備の要,軍艦御座無く候ては,叶い難しく候事
●軍艦がなくてはどうにもならない。(積極的に貿易をし、その利益をもって国防費に当てる。)

第三:天下の都府に厳重の御備え有り度事。此の条は前文にも申しあげ候えどもなお又反覆申しあげ奉り候
●江戸の防備を強化する。

第四:御旗本の面々,厚く御世話遊ばされ兵制御改正,教練学校建造の事
●旗本の困窮を救うため、兵制を西洋式に再編成し、訓練所の建設も行う。

第五:人工硝石御世話,ならびに武具製作の事
●砲や銃の生産、同時に火薬の生成工場の建設。

嘉永6年7月12日   

小普請組 松平美作守支配 勝麟太郎


この意見書に興味を抱くとともに勝麟太郎の噂を耳にしていた 大久保忠寛が、勝麟太郎を訪問するのだが、幕府の高官がまだ幕府の要職についてない尋常ではない。日本の歴史の中で、そのような例はあるだろうか? 北条泰時が明恵に会いに行っている。

承久三年の乱は、幕府軍の勝利によって、またたく間に終わってしまった。このとき明恵は、朝廷側の武士や公卿などの未亡人をためらうことなく高山寺にかくまった。『伝記』によると、このために怒った鎌倉武士は明恵を捕らえ、六波羅探題北条泰時のところに引っ立てていったという。明恵はすべて覚悟の上であったので、泰然として、彼にとっては敵味方なく、気の毒な人を助けるのは当然のことであると述べ、「是、政道の為に難義なる事に候はば、即時に愚僧が首をはねらるべし」と言い切った。泰時はもともと明恵を尊敬していたので、大いに恐縮して詑びると共に、むしろ、明恵の教えを受けようとした。

梅棹忠夫が北条泰時を日本で最初の政治家(ステイツマン)」と評したが、私は、大久保忠寛も北条泰時に匹敵するような偉大な政治家であったと思う。でなければ、大久保忠寛のような幕府の高官がまだ一介の御家人にしか過ぎな勝麟太郎を自ら訪問するようなことは絶対にない。呼びつければいいだけのことである。自ら訪問することによって、勝麟太郎との信頼関係を作りたいという気持ちがあったに違いない。子母澤寛の小説「勝海舟」(昭和43年11月、新潮社)によると、その訪問の直後、大久保忠寛は勝麟太郎の子供の誕生祝いに、お祝いの品を届けている。これが歴史的事実かどうかわからないが、子母澤寛は大久保忠寛の心情を推し量ってそういうエピソードを書いているのだろう。



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