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2017年9月 3日 (日)

反民主主義論(その7)

反民主主義論(その7)

第1章 民主主義の危機(その6)
第2節 反民主主義を唱える人たち(その2)
2、 スイスインフォ
欧州と米国で民主主義が深刻な危機状態にあることは、2016年の日々のニュースを見れば明らかだ。自由民主主義は、まさにそれが誕生した国々のもとで死に絶えるのだろうか。
スイスインフォはスイス放送協会の一部門であり、権威ある報道機関である。スイスインフォは国外向けにスイスのニュースや情報を発信するウェブサイトであり、主にスイスの政治、経済、文化、教育、観光を中心に情報発信している。そのスイスインフォでは、その考察の手がかりとなる議論を投げかけている。
民主制を導入する国の数が伸び悩み、専制政権が台頭している。80年代にラテンアメリカ諸国で独裁政権が倒れ、続くソビエト連邦の解体と89年のベルリンの壁崩壊が、東欧、アフリカ、アジアの民主化のきっかけとなったにも関わらずだ。

英国ケント大学の「スイス政治センター」のクライヴ・H・チャーチ氏によれば、スイスの政治システムは危機状態にある。同教授は、直接民主制のような制度の役割が変化したと言う。「以前は、直接民主制によって、政治システムから除外されている人々が政治に影響力を持つことができた。しかし今日では、政党の政治手段になっている」
今年は、民主主義が定着しているはずの欧州の中枢で、右派を始めとする反体制政党が躍進し、懸念が増している。世界が様々な危機に直面する中で、その対処にてこずる現政府に対して、抗議票が投じられているのだろうか。
 この問題はより深刻だと強調するのは、全米民主主義基金の季刊誌「ジャーナル・オブ・デモクラシー」だ。最新版7月号に掲載された「解体の危機 民主制の失速」と題する記事では、1995年から2014年までに集められたデータが分析されている。

米国富裕層の若者たちのうち、軍事勢力が政権に就けば「よい」と考える人の割合は、95年の6%から現在の35%にまで上昇している。欧州でもやはり同様の傾向が見られる。ジャーナル・オブ・デモクラシーの編集長は、次のように答える。「まだ少数派であるとはいえ、有権者の一部には民主主義のシステムに極めて強い不満を抱いている人々がいる。彼らは、非民主的、反自由主義の政治体制が民主制に取って代わることを望んでいるようだ」
現代の私たちが生きる時代は困難に満ちているが、確固とした民主主義が現下の変化によるショックにどこまで耐えうるかが試されている。

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