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2017年5月 1日 (月)

台湾(その24)

台湾(その24)

第3章 現代の台湾

第2節  台湾問題について

1、台湾問題とは(その2)

こうして国際政治上の台湾問題は当面の決着をみたが、台湾との統一という中国内政上の台湾問題は依然として解決できなかった。中国大陸が毛沢東政治の桎梏(しっこく)下に置かれ、文化大革命の混乱を経験したことは台北政権側にとっては有利な情勢であった。こうしたなかで1981年9月、中国全国人民代表大会常務委員長の葉剣英(ようけんえい)はいわゆる9項目提案を公表して、第三次国共合作を呼びかけた。しかし、台湾側の蒋経国(しょうけいこく)政権はこれを拒否し、かつての「大陸反攻・光復中華」のスローガンにかわって「三民主義」による中国との統一を呼びかけた。中国の指導者鄧小平らはその後も「台湾解放」を強調し、武力解放の可能性にもしばしば言及していたが、現実には台湾解放はますます遠のいてしまった。台湾がいまやアジアNIES(新興工業経済地域)のリーダーとして、中国大陸の数十倍の経済的豊かさをもつことが決定的に大きな問題であり、台湾では、国共合作としての「台湾問題」よりも、台湾内部の「国台合作」(大陸からきた外省人と台湾在来の本省人との協力)が重要な課題になってきた。

こうした時期に、総統の蒋経国が1988年1月に死去し、台湾人(本省人)の副総統李登輝が昇格して総統に就任し、中華民国の民主化と台湾化を積極的に推進する新生台湾が出現した。李登輝は1991年2月、国家統一綱領を確定し、同年5月には1948年以来のいわゆる「中国敵国条項」を中止し、中国側を政治実体として認めるとともに従来の反共政策を大きく転換した。一方、民間レベルで海峡交流基金会を設立、中国側の海峡両岸関係協会との間で1993年4月に海峡両岸会談(中台会談)がシンガポールで行われ、同年10月には2回目の両岸会談が上海で行われた。しかし、中国側は、台湾の国際的地位の向上や実務外交の進展が「台湾独立」に連なるのではないかと反発しており、1996年3月に台湾で史上初の総統・副総統直接選挙が挙行されるに際し、ミサイル発射演習を含む軍事威嚇を断行、台湾海峡危機が招来された。選挙結果は、李登輝と副総統の連戦(れんせん)コンビの圧勝に終わり、アメリカは空母2隻を派遣して中国を牽制(けんせい)した。中国側は、1997年7月の香港返還に用いた「一国二制度」の方式を台湾にも呼びかけたが、台湾側は現状維持と中国の民主化を求めていた。

 このような状況下で李登輝は、1999年7月、中国との関係を「特殊な国と国との関係」と規定し、台湾があくまでも主権国家であることを明言した。この主張に中国側は猛反発し、李登輝を「台湾独立分子」と激しく非難した。こうして台湾海峡の緊張が高まるなかで迎えた2000年3月の総統・副総統選挙では、最大野党の民主進歩党(民進党)の陳水扁(ちんすいへん)・呂秀蓮(りょしゅうれん/ルーシウリエン)コンビが勝利し、連戦を候補にたてた国民党は歴史的な敗北を喫した。李登輝は責任をとってただちに国民党主席を辞任したが、陳水扁政権は李登輝路線の継承を明らかにしている。直接選挙による民主的な政権交代は、中華世界で歴史上初めてのことであり、その意義は大きい。

その後、国民党公認の馬英九が総統となった事で中台関係の雪解けが期待され、親中感情が高まっていった。2012年、一度目の総統任期終了を踏まえて、同年の総統選挙に再選を目指し、旧来の支持勢力を纏め上げ、51.60%を得票して総統に再選された。2012年5月20日、第13代中華民国総統(2期目)に就任したが、任期満了となる2016年5月20日に退任した。民進党・蔡英文の時代がやってきたのだ。つまり、蔡英文は、 2016年1月16日の総統選で中国国民党の朱立倫に300万票以上の大差をつけての圧勝であり、台湾初の女性総統となる。
馬英九の衰退は「ひまわり学生運動」とともに始まったのである。馬英九総統は、台湾の発展や競争力を向上させるために、海峡両岸サービス貿易協定を早期に締結しようとした。これに対して、台湾大学生たちは、台湾の中小企業に対する脅威、人材流出、言論や情報の安全性を恐れ、監督条例を先に制定することを求めたのである。そのことが「ひまわり学生運動」という誠に過激な学生運動に発展した。










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