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2016年12月 7日 (水)

天皇(その13)

天皇に関する国民感情その13

佐伯啓思「正義の偽装」について (その6)

佐伯啓思は「正義の偽装」の中で民主主義に関連して次のように述べている。すなわち、

『 (橋下氏や石原氏などの例を見てつくずく思うが、)今日の日本の政治は、「作家的なもの」すなわち「私的なもの」「感覚的なもの」を、「政治的なもの」すなわち「公的なもの」へとほとんど遠慮会釈なく持ち込み、しかも、それを媒介しているのが、大衆の情念や好奇心である、といってよいでしょう。』・・・と。

すなわち、日本は、時として、「私的なもの」「感覚的なもの」を主張する政治家が出てきてはいるが、それは大衆の情念や好奇心を媒介にしたものであって、それに歯止めをかける権威あるものが必要だと、佐伯啓思は言っているのだ。そして、佐伯啓思は、次のようにも言っている。すなわち、

『 第一に、天皇の位は血統による世襲である。第二に、天皇は人であると同時に神格を帯び、「聖性」と関わる。そこから、天皇が「神」として奉られると同時に、神をまつる祭祀の長であるという独自の性格がでてくる。第三に、天皇は形式上は政治の主宰者である。しかし自らは政治を行わず、もっぱら祭祀儀礼を執行し、権威を担保する。その結果、日本の統治システムは、一方で天皇という聖性を帯びた「権威」と、他方で実権を持つ政治的な「権力」が分離するとともに、その「権力」の正当性は「権威」によって付与される。』・・・と。

大事なのは伝統である。アメリカはアメリカなりに「歴史と伝統文化」があるし、中国は中国なりに「歴史と伝統文化」があるし、日本は日本なりに「歴史と伝統文化」がある。その国の統治構造というものは、その国の「歴史と伝統文化」にもとづいて作られるべきものである。アメリカは、建国精神にもとづいて出来上がった「民主共和主義」が良い。中国は、その長い「歴史と伝統文化」にもとづいて出来上がった「天命政治」が良い。日本は、やはり長い「歴史と伝統文化」を持っており、その「歴史と伝統文化」にもとづいて出来上がった日本の歴史的精神をもっている。それにふさわしい統治構造は、「天皇を中心とした政治構造」である。
以上、私のその論文の骨子となる文のみわかりやすく紹介してきたが、その全文については次をご覧いただきたい。

http://www.kuniomi.gr.jp/geki/iwai/saeki.pdf





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