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2016年12月27日 (火)

リージョナルコンプレックス(その1)

リージョナルコンプレックス(その1)

私は先に、過疎地域対策の第2原則として第6次産業の担い手として民間企業の重要性について述べた。国土政策研究会は民間人又は民間企業をメンバーとする社団法人である。いろいろな研究会を開きながら、場合によれば、第6次産業というまったく新しい分野でこれからの企業展開を図ろうという企業を集めることは可能である。したがって、これから「新しい国のかたち」を作るために、過疎地域対策に本腰を入れていくために、民間企業の参加が不可欠だとしたら、国土政策研究会はその点を意識してこれからの研究活動を始めなければならない。もちろん、過疎地域を中心にこれからの「新しい国のかたち」を作っていくには、行政の役割は基本的に重要だし、さらにこれからはNPO法人などのボランティア活動が不可欠である。地域づくりについては、それぞれの地域の住民の選択と責任のもと、地域自らが主体的に取り組めるような体制づくりが今強く求められている。
 地域づくりは人づくりとよく言われるが、地域づくりに取り組むサークルないし団体が生き生きしていなければならない。数名のサークルから大きな団体までいろんな組織があって、いきいきと独自の活動をしている。そして、それらの組織が何かある共通のテーマで結ばれている、そういう地域社会はいきいきしている。坂本慶一氏(元福井県立大学学長)は、リージョナルコンプレックスと呼んでいるが、今後、わが国は、そういう地域社会の実現を目指さなければならない。それが開かれた地域社会であり、共生、交流、連携(ちなみに、共生、交流、連携は同根の言葉であるがこの順序で概念が広い)をキーワードとする共生社会である。
 住民の属するコミュニティレベルといった地域社会の活性化も必要ではあるが、コミュニティレベルを超えて、個人を主体にした地域活動がより重要になってくる。わが国のいわゆる「むら社会」は、そのような地域社会に変革されなければならない。
 事実、近年は、地域づくりにおいて、地域住民(ボランティア団体)や地域の企業、さらには非営利団体等の果たす役割がますます重要になってきているようで、このような多様な主体が、その有する人材やノウハウを活用しつつ、互いに交流、そして場合により緩やかに連携しながら、地域づくりに積極的に参画するというケースも多くなりつつある。
 リージョナルコンプレックスを形成していくため、福祉その他各分野の施策が必要であるが、国土政策においてもそのことが重視されなければならないのであって、地域における多くのサークルないし団体が何を共通のテーマにして交流、連携するのが適当なのか、その点の議論が重要だ。
 現在は、本格的な高度情報化の時代の幕開け。今後は、従来、各種の制約によって活動範囲が狭められていた人々が、フェイス・トゥ・フェイスに近い環境でのコミュニケーションを通じて、経済社会活動に積極的に参画し、自らの能力をより発揮することが可能となる。
 高度情報化については、政策的にも各般にわたって積極的な取り組みが必要であるが、これからの地域づくりには交流、連携が不可欠であるので、マルチメディアやパソコン通信を前提としたコミュニケーションシステムを地域に構築していく必要がある。そのことは、高度情報化を推し進めることにもなるが(我が国の場合とかくハード先行と言われており、われわれはもっと利用に熱心でなければならないと思うが、今はその点に触れない)、何よりもリージョナルコンプレックスの育成にも不可欠なことであろう。
 今後の国土政策の最大の課題は、過疎地域の活性化である。人口はともかく、いきいきとした地域社会を作ることである。共生、交流、連携をキーワードとした共生社会を作らなければならない。そのためには、リージョナルコンプレックスを作らなければならない。したがって、これからの国土政策の重要戦略は、如何にリージョナルコンプレックスの育成をしながら地域づくりを進めていくか、そこになければならない。

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