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2016年9月17日 (土)

中国伝統文化(その16)

中国伝統文化を考える旅(その16)

第2章 天命政治の成功のために(その4)
第2節 政治哲学(その2) 
1、 晏嬰(その2)・・・ 晏嬰に関するエピソード

(1)景公の場合
① 景公が晏子の功績に報いて領地を与えようとした。晏子は「国はそれほど大とはならず、民の生活も潤っているとは言えません。これは宰相たる私の不徳の致すと ころです。そのような私が受け取ることはできません」と断った。景公はそれでも許さずに領地を与えたが、晏子は他日に折をみて領地を返上した。
② 景 公の愛娘は晏子に嫁ぎたいと願っていた。ある時、景公が酒宴中に晏子の妻を見て「ずいぶん老けてしまっておる。わしの娘は若くて器量が好い。どうだ貰わな いか」と聞いた。すると晏子は「今は老けましたが、若くて器量の好い頃もあったのです。人間は最初にこういう風になる後々のことまで約束いたします。わた しも一度約束した以上はそむくわけにはまいりません」と断った。
③ ある時、景公が晏子に「お前の望むことは何かあるか」と聞いた。晏子は「臣として畏敬され、妻からは頼られ、後を心配なく嗣がせられる子が欲しいものです」 と答えた。景公が「もっと願いはないか」と問うと「明君と賢妻に加えて衣食足りて良き友があれば好いですな」と答えた。景公が満足して去ろうとすると、更 に晏子はこう述べた。「一番の願いは、世話のかかる君に、家から追い出したくなるような妻、そして不肖の子が居ることです」と。この答えに景公は大いに満 足したという。
④ ある寒い日、景公が晏子に「温かい食べ物を持ってきてはくれないか」と言うと、晏子は「臣の役目ではございません」と断った。
景公が「衣服を持ってきてはくれまいか」と頼んでも、晏子は「臣の役目ではございません」と断った。
景公が「それではお前は何の臣なのか」と聞くと、晏子は「私は社稷の臣です。国家を立ててその根本を明らかにし民を安んずることが役目です」と答えた。
⑤ 景公は孔子の進言に心を動かし、大臣級の処遇を与えて召し抱えようとした。それを晏嬰は咎めた。「儒者は傲慢で、しかも独善である。」
註:景公の治める国に儒教をかぶせたらどうなるか。「予想するまでもない。どうにもならぬ国になる。」・・・というのが晏嬰の実感である。「それはならぬ、あれはならぬ」という禁止事項が並んでいる儒教と付き合ってゆけるはずがない。儒教では、庭を歩く時は小走りにするようにし、堂にのぼる階段は一歩をあげて他の足をそろえてから、また一歩を上げる。また堂上では小走りするような歩き方をしてはいけない。それだけとっても、とても景公は守れそうにない。君主が守れないような礼儀を、人臣に押し付ける愚を晏嬰は避けようとしたのである。君主が守れないような礼儀を、人臣に押し付ける愚についいては、次のようなエピソードがある。

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