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2016年8月 2日 (火)

シャングリラ(その30)

シャングリラ(その30)
第3章 政治改革・当面の課題(その2)
第1節 概要(その2)

中国のチベット支配にともなって発生した各種の問題を「チベット問題」という。中国政府とチベット亡命政府の間で発生した過去の歴史認識に関してさまざまな議論がなされてきたし、現在でもなお問題がないわけではない。
過去の歴史認識とは、チベットに対する中華人民共和国の支配・統治にともなって生じる各種の問題である。特にチベット独立運動への弾圧、弾圧にともなう中国軍によるチベット人の大量虐殺や人権侵害が大きな争点である。この中国軍による弾圧については、国際的には、中国側の自制を求める意見が強いが、中国の立場からすると、一連のチベット人による動乱は「反乱」であり、「虐殺」は反乱分子の「平定」とされる。国際的に中国側の自制を求める意見が強いとしても、チベットの独立を主張する国際世論はないので、チベット側としては、「高度な自治」を志向するしか方法はない。これがどうなるか、その問題が現在の「チベット問題」である。

私の見通しとしては、チベット側と中国側の話し合いを重ねて、双方が歩み寄れば、「高度な自治」の実現が可能な段階に来ている。したがって、チベットにおける中国の政治改革の最大の課題は、台湾と香港の一国二制度に関わる問題であろう。しかし、この問題の解決には相当の年月を要するであろう。台湾と香港の場合、歴史的なものを考えれば一国二制度をとらざるをえないかもしれないが、この極めて重要で、かつ、難しいこの一国二制度という政治改革の問題は、私の能力を超えており、私は、その方向を指し示すことはできない。今後、習近平と蔡英文の叡智に待つよりほかはないのではないか? したがって、ここでは政治改革の当面の課題として、宗教改革の方向についてのみ述べることとしたい。中国が国際社会における尊敬を勝ち取るには、第二第三のシャングリラをつくることしか方法がないのではないかと思われる。では、第二第三のシャングリラをつくるにはどうすればいいか? そのことについて書いたのがこの第3章である。




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