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2016年7月31日 (日)

シャングリラ(その28)

シャングリラ(その28)
第2章 中国という国(その15)
第4節 少数民族政策(その3)
最後に、 改革・開放以前と以後の民族政策の変化をチベッ ト自治区を例に見てみる。

現在は、 中国の他地方との交通、 チベッ ト内各地間の交通も発達している。 また、 チベット民族は、 民主改革によって生産意欲を増し、 穀物収高は改革 ・ 開放前に比べて倍以上になっている し、 チベット語による授業や出版物も以前より大幅に増加している。
1980年4月、 党中央は、 チベッ ト自治区における民族問題を解決するため行なわれた 「チペット工作座談会」 の紀要を発表、 そこで決定された 「六大方針」 を全少数民族地区における 自治政策の基本として位置付けた。
これは、 民族地区の実状に即した自治権の十分なる行使を実現するための、 特殊な経済政策で、 改革 ・ 開放前の穀物の徴集、 買付けなど様々 な形態の割当制の廃止、 業 ・ 牧畜税の減免などを含む6項目から成る。

この政策が実施されて以来、問題の多かったチベット自治区、 新疆ウィグル自治区、 内モンゴル自治区の経済は発展し、 貧困と遅れた文化状況に苦しむ人民の生活も徐々に改善されている 。

新中国成立後、 これまで中国政府 (党) のとってきた少数民族政策の原則は、 新憲法 (1982年制定) の総綱第4条に規定があるように、 「中華人民共和国の各民族はすべて平等である。国家は各少数民族の合法的権利や利益を保障し、 各民族の平等、 団結、 相互援助関係を維持発展する。 いかなる民族に対する蔑視や圧迫をも禁止し、 民族の団結を破したり、 民族の分裂をなす行為を禁止する」 という ものである。 その他第4条には、 少数民族地区の経済 ・文化の発展援助、 集居地方の民族区域自治の実施、 風俗習慣の保持および改革の自由などが定められている。

しかし、 諸々の原因によって、 前述の原則が必ずしも全面的に適用されてきたとは言い難い。
というのは、 少数民族に対し優遇政策が実施されているとはいえ、 政治経済上での漢族優先(  大漢民族主義 )の傾向はいまだになくなってはいないからである。 さらに、 政府にとっての少数民族政策の最重要項目は、 少数民族の大半が居住する国境地帯の安全保障ならびに同地方の豊富な資源の確保 (内蒙古自治区の石炭、 新疆ウイグル自治区の石油と天然ガスなど)、つま り政治的 ・経済的統合であって、 少数民族の現状を考慮に入れた政策というよりは、 むしろ国家優先の政策であることは否定できないからであることは否定できないからである。

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