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2016年6月 9日 (木)

習近平の可能性(その5)

習近平の可能性(その5)
宮本雄二は、『習近平の中国 』(2015年5月、新潮新書)でさらに次のように述べている。すなわち、
『 習近平は、党や軍の改革派のバックアップを得て、江沢民の逆鱗に触れることを覚悟して徐才厚をたたいた。そして軍人たちは、中央軍事委員会の副主席まで勤めた大物でもやられることを知った。習近平の覚悟と「力」は理解されたのである。(中略) 党内世論の体制が習近平に味方しても、現場で勝てるという保証は何もない。何せ周永康の後ろには江沢民がいるのだ。そうなると、とにかく今は模様眺めで何も動かずじっとしておこうという、党内の別の「世論」も強くなる。だからこそ、周永康をしっかり処分する必要があった。つまり周永康の事案は習近平が真に権力を集中したのか、あるいはまやかしの権力集中なのかをテストする象徴的な案件であったのだ。(p124~125)』
『 習近平の反腐敗は、汚職のない官僚チームを確立することを最大の狙いとしていると見るべきである。(中略) もちろんハエ叩きは続く。そうしないと国民との関係が持たないからだ。反腐敗は「汚職のない官僚チームを確立することを最大の狙いとしている」という鄧律文の分析は、やはり正しいと思う。(中略) 紀律検査委員会は、中央から基層組織まで各レベルにおいて設置されており、党員の紀律違反を調査し、処分する権限を持つ。(中略) そこで中央の紀律検査委員会が、地方の党委員会の影響を排除し、紀律検査委員会を直接管理できるようにし、そのための措置を強化している。(中略) また密告を奨励し、マスコミが暴くことを許している。さらに、それまで紀律検査委員会は告発を受けて出動するのを原則としていたが、03年には党内の定期的な査察を行なうための巡視制度も始めている。習近平の時代となり、この巡視制度が威力を発揮し始めた。巡視組(チーム)が突然ある地方や組織の査察を行ない、徹底的に調べて腐敗や不正があれば処分しており、皆、戦々恐々だ。(p127~130)』
『 王岐山は、13年1月の中央紀律検査委員会の会議の場で、「腐敗の治療は、当面、応急処置を主として行ない、これからの根本的な治療に必要な時間を稼ぐ」という趣旨のことを言っている。つまり、反腐敗は、これからもずっと続いていくものであり、彼らは根本的な対策を考えているということだ。そのために新たな体制を作った。「改革深化指導小組」の下に設けられた6つの「専門チーム」の一つの「紀律検査体制改革チーム」が、それである。王岐山の持ち味は、スピードと構想力と実行力だ。彼は、まず組織の指導力の強化に着手し、趙洪祝(ちょうこうしゅく)(中央書記処書記、中央紀律検査委員会副書記)を、この「専門チーム」のトップに据えた。その次に、基本となる考え方、達成すべき目標と主要任務、さらに具体的なやり方ととるべき措置、そしてそれぞれが達成される時間表までも定めることにした。それが「紀律検査体制改革実施方案」である。そして、この「実施方案」は、14年6月の政治局会議で実際に決定された。17年までに基本的に完成させ、20年までに全面的に達成するという時間表まで決めたのだ。(p131)』

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