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2016年6月14日 (火)

習近平の可能性(その10)

習近平の可能性(その10)
宮本雄二は、『習近平の中国 』(2015年5月、新潮新書)でさらに次のように述べている。すなわち、
『 14年のダボス会議で、国際政治の分野で「ソフトパワー」という言葉を初めて使ったハーバード大学のジョセフ・ナイ教授は、王毅外交部長に対し、「中国はどのようにしてソフトパワーを作り上げようとしているのか」と質問した。これに対し王毅は中国には独特のソフトパワーがあり、一つは中国の優れた伝統文化、二つ目は中国に特色ある発展の道、三つ目は中国外交が堅持してきた道理と正義、平等を実践するという伝統だ、と述べている。(p219~220)』
『 13年8月に楊潔篪国務委員は、習近平の新しい外交の概念として「 義利観」外交を提示した。「利を見ては義を思う」(論語)、すなわち「利を以て利とせず、義を以て利となす」(大学)という考え方で外交を進めるというのだ。私利ではなく公義を重視した外交を考えるというのだ。
13年10月、習近平は周辺国外交に関する重要講話(「周辺諸国に運命共同体意識を根付かせよう」)において、その基本方針は「隣国と善い関係を持ち、隣国を安んじ、隣国を富ませる方針を堅持する」ことにあることを強調し、「親」「親善」「誠」(誠実)「恵」「互恵」「容」(包容)の理念を際立たせなければならないと説いた。そして14年11月の中央外交工作会議において、これらを「義利外交」とともに中国外交の原則に位置づけた。(p220)』

『 中国社会はこれからさらに変化し、それに対応して中国共産党も変化していく。これが常識的な将来予測だ。つまり早すぎる変化を経て、中国の経済成長のスピードも遅くなり、社会の変化も次第にゆっくりしたものになっていく。そして中国社会の自己反省も始まる。
 この自己反省はすでに始まっており、拝金主義にどっぷり浸かった社会の風潮に対する反発は強まっている。仏教やキリスト教、それに道教といった宗教に対する関心も強まっている。中国社会の価値観や倫理観も、伝統的な価値観の影響を強く受けながら、これから大きく変わっていくだろう。(p225)』

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