« 日中友好親善(その2) | トップページ | 明恵(その4) »

2016年6月 8日 (水)

習近平の可能性(その4)

習近平の可能性(その4)
宮本雄二は、『習近平の中国 』(2015年5月、新潮新書)でさらに次のように述べている。すなわち、
『 習近平は、「党の建設」をやり遂げることが「中国の夢」を実現する前提であることを強調している。(中略) 反腐敗はある意味で国民対策でもある。現に国民は習近平のイニシアチブを大歓迎している。国民の支持を背景に党内の大掃除をするという側面も確かにある。だが同時に党内の引き締めを図ることで、政策を本気で実行できる党組織にするという意図もはっきりしている。これまでのいい加減な、たるんだ組織から規律正しい能力の高い実動部隊に本気で変えたいのだ。(中略)「上に政策あれば、下に対策(注:実行する対策ではなくさぼるための対策)あり」を決して許してはならなず、命じられても行なわず、禁じられても止まず、ということがあってはならない。(p113~115)』
『 そのうち習近平と王岐山の狙う「トラ」が、徐才厚と周永康の二人であることが、徐々に判明してきた。徐才厚は、江沢民時代の99年に陸軍大将に昇進し、中央軍事委員会委員となっている。江沢民から胡錦濤に中央軍事委員会主席が替わる04年に中央軍事委員会の副主席に昇進した。まさに江沢民派の人民解放軍の超大物軍人である。薄熙来事件以来の激震が続く12年2月、徐才厚の部下の谷俊山(人民解放軍総後勤部副部長、中将)が腐敗がらみの紀律違反で罷免された。このときから、いつ徐才厚に司直の手が伸びるかが注目されてきた。14年3月、ついに谷俊山は軍事法廷にかけられることが決まった。(中略) その後の動きは速い。同月徐才厚に対して党組織による調査が決定され、同年6月、政治局は徐才厚の党籍を剥奪することを決定し、刑事責任を問うため、収賄容疑で軍事検察機関に送ることとした。谷と除の両案件は間違いなく連動している。
 次が周永康だ。周永康は石油関係の仕事に長く従事した。光沢民時代の98年、中国石油天然ガス総公司の総経理から国土資源部部長に抜擢された。そして99年には四川省の党委員会書記に昇進した。胡錦濤時代となった02年には政治局委員となり、中央書記処書記をつとめるとともに公安部長も兼任した。大抜擢されたのだ。そして07年に政治局常務委員となり、中央政法委員会書記となったことはすでに触れた。習近平と王岐山は、周永康のかっての部下たちから手を付け、証拠固めを進め、部下たちは次々に司直の手に落ちた。このことは、周永康が自分の部下を守る力がないことを見せつけるものであり、周永康に捜査の手が及ぶのは時間の問題だと見られていた。(中略) 14年7月、党中央は周永康に対し、「重大な紀律違反の疑いにより、・・・中央紀律検査委員会が立憲審査を行なうことを決定」した。同年12月、政治局は周永康の党籍剥奪を決定し、法に基づいて立件、調査し、逮捕することを決定した。司法プロセスに乗せ、罪人として処断することにしたのだ。(p120~123)』

« 日中友好親善(その2) | トップページ | 明恵(その4) »

文化・芸術」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/1117507/65915804

この記事へのトラックバック一覧です: 習近平の可能性(その4):

« 日中友好親善(その2) | トップページ | 明恵(その4) »