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2016年5月30日 (月)

山地拠点都市構想(その156)

山地拠点都市構想(その156)

第6章 山地拠点都市構想の実現に向けて(32)
第5節 山の国民運動(3)
3、「山の日」の制定を契機に!

「海の日」という日があるのに、何故「山の日」がないのか? 国民の祝日に関する法律 第2条では、「海の恩恵に感謝するとともに、海洋国日本の繁栄を願う」ことを趣旨とし ている。世界の国々の中で「海の日」を国民の祝日としている国は唯一日本だけだとい う。海国日本の面目躍如たるものがある。日本が「海の国」であることは間違いない。しかし、日本は世界に冠たる「山の国」でもあ る。なのに「山の日」がないのは不思議ではないか。何故「山の日」がないのか? そういう思いから国民運動が巻き起こり、今年(平成26年)の通常国会で「山の日」の祝日が決まった。これは実にうれしい限りである。
農林水産省の設置法に、「林野庁は、森林の保続培養、林産物の安定供給の確保、林業の 発展、林業者の福祉の増進及び国有林野事業の適切な運営を図ることを任務とす る。」
・・・とある。そしてまた、「森林・林業基本法」では、第二条第1項に 「森林 については、その有する国土の保全、水源のかん養、自然環境の保全、公衆の保健、地球 温暖化の防止、林産物の供給等の多面にわたる機能が持続的に発揮されることが国民生活 及び国民経済の安定に欠くことのできないものであることにかんがみ、将来にわたつて、 その適正な整備及び保全が図られなければならない。」・・・とあり、第2項には「森林 の適正な整備及び保全を図るに当たつては、山村において林業生産活動が継続的に行われ ることが重要であることにかんがみ、定住の促進等による山村の振興が図られるよう配慮 されなければならない。」・・・とある。にもかかわらず、山がこれほど荒廃し、山村が 消滅しかかっているというのは、林野庁をはじめとする国の責任であることは間違いな い。今の状況で、せっかく「山の日」を設けられても、山村の人たちは、その祝日を祝う気持ちになるだろうか?  山村の人たちが「山の日」を心から祝う気持ちになれるようでないと、 とても日本が「知恵のある国家」であるとは言えないだろう。

したがって、私は「山地拠点都市構想」を提唱し、山地の村落の元気再生を目指しているのである。ともかく、山を愛する人、山の重要性を判っている人、そして山村で生活している人など山に関係のある人たちが、力を合わせて、「山を守る」「山村を守る」「木の文化を守る」・・・そういう国民運動を盛り上げていかなければならない。

「山の日」の制定運動は、広島から始まった。私のかっての仲間、伊東利彦さんや 兼森 郎さんが広島山岳会の皆さんと一緒になって、2002年に始めたのだ。当初は、広島県
内の森林ボランティア団体、広島県山岳連盟関係者など山にかかわりのある人が中心にな り実行委員会方式で、ひろしま「山の日」県民の集いの行事を行なった。回を重ねるごと にその輪も広がり、いまでは森林ボランティア団体・山岳関連団体・環境保全団体に加 え、行政・学校・企業・団体の関係者等も参画した実行委員会方式で事業の企画運営を行 なってこられた。頭の下がる思いである。広島のこういう運動に刺激されてか、あるいは同時発生的に始まったのか判らない が、条例で「山の日」を制定している自治体が次第に増えて行った。日本山岳会も「山の日」制定運動に立ち上がった。このことが多くの国会議員を動かしたようだ。。日本山岳会に敬意を評したい。2012年10月、東京で「みんなで山を考えよう~『山の日』ネットワーク東京会議」が開かれた。日本山 岳会など山岳5団体でつくる「山の日」制定協議会が主催し、全国レベルで「山の日」を 考える初めての場となった。 山の雑誌「山と渓谷」(山と渓谷社)の平成24年12月号によると、「山の日」を制定しているのは13府県、「森の日」制定は12県などと なっているが、このような背景のもと、国民の祝日として 「山の日」が制定された次第である。

しかし、先ほども申し上げたように、せっかく「山の日」が制定されても具体的 な支援事業が始まらないと、消滅しそうな山村に生活している「山の人びと」の気持ちと しては、都会の人たちの勝手気侭な「エゴ」としか移らない。私としては、「山の日」制 定を契機として、山地の元気再生に向けての「山の国民運動」を盛り上げていきたいと思う。


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