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2016年5月31日 (火)

宇宙との一体感(その13)

宇宙との一体感(その13)

宮沢賢治の自然観(4)

中路正恒は、宮沢賢治はその「宇宙のリズム」を感じることのでき希有な人であるという。次にその点につき中路正恒の結論部分のみここに紹介しておきたい。中路正恒の詳しい説明については、彼の著書「ニーチェから宮沢賢治」(1997年4月、創言社)をご覧いただきたい。現在、その内容をネットでも読むことができる。

中路正恒は、その著書「ニーチェから宮沢賢治」(1997年4月、創言社)で次のように述べている。すなわち、

『 詩「原体剣舞 連」において最後に語られている願望は「雹雲と風とをまつれ」、である。 それは先に引用した「鬼神をまねき」につづいて、次のような3行として語 られる。樹液(じゆえき)もふるふこの夜(よ)さひとよ 赤ひたたれを地にひるがへし 雹雲(ひよううん)と風とをまつれ 』

『 「打つも果てるもひとつのいのち」という思想は、単に前景であって、 本当の思想は、或るひとつの〈宇宙のリズム〉を把握することの内にあるので ある。そして、この捉えられた或るひとつの〈宇宙のリズム〉の中で、本質的 に多数であるいのちたちが、同じ時の流れを経験するのである。それが喜びで あり、歓喜であり、そして救済である、と賢治はわたしたちに語っているのである。』

『 承認と肯定において、宮沢賢治の思想は 、ニーチェの思想と非常によく似た場所にあるのである。ニーチェもまた、生の本質的な多数性の、この承認と肯定によって、意志は根源において一つであ る、というまやかし的な思想を語る哲学者と対決したのである。』

『 その最も厳密な思索において、賢治は、その〈場〉を、天と地を結ぶリズムが生成するところに 認めていた。 原体剣舞連は、宮沢賢治によって、相互的交 流の〈場〉を形成する〈宇宙のリズム〉の生成装置として、把握され、そして 詩として定着されたのである。』

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