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2016年5月16日 (月)

山地拠点都市構想(その144)

山地拠点都市構想(その144)

第6章 山地拠点都市構想の実現に向けて(20)
第3節「自立的発展」を目指す(7)
3、サステイナブル・コミュニティ(1)

川村健一という私の親しい友人が、小門裕幸と共著で「サステイナブル・コミュニティ」 (1995年11月、学芸出版)という本を出したのかなり前の話であるが、日本もよう やく市町村に対してこの種の話ができる社会環境になってきたようだ。自治意識の高まりが少しだけれど出てきたということだ。堺屋太一や佐伯啓思や浜矩子などの影響があるのかないのかよく判らないけれど、国土交通省の意識もたしかに変わってきた。成熟化社会 というか、、脱工業社会、脱物質文明の社会に向かっているという認識が広まりつつあ る。嬉しいことだ。今こそ、私は、サステイナブル・コミュニティの重要性を声高に訴え ていきたいと思う。では、以下において、「サステイナブル・コミュニティ」(1995 年11月、学芸出版)の要点を紹介したい。

1 、アメリカはあり余る広大な国土の中で自然を克服して、常に豊かで質の高い生活を求 めて都市を形成してきた。価値観も宗教も違う多種多様な民族が自由と民主主義を共通の アイデンティティとしてコミュニティをつくってきた。そのアメリカが、物質文明が進展 する中で民主主義の礎であるコミュニティが失われるという反省に立って、そして将来に 立ちはだかる資源の有限性や地球環境の維持という壁に気がついて、新しい町づくりを始 めている。

2、 今アメリカでは人間性に目指した半永久的に存続しうる町づくりの運動が起こってい る。人に優しく、人とのふれあいのある人間性豊かな生活の場を提供し、コミュニティを 取り戻す。現代技術を生かし、伝統に根ざしたローカル技術も利用して、エネルギーの効 率化を図る。資源の無駄遣いをしない。生活に必要なものが身近で揃えられ、車を使わな いで用がたせるようなヒューマンスケール(人間サイズ)のコンパクトな町づくりを作ろ うとしている。マイケル・コルベット、エリザベス・プラター・ザイバーク夫妻、ぴー たー・カルソープなどを中心として、問題意識に目覚めたアメリカの建築家は、近年のア メリカの町づくりに疑問を提示し、地方公共団体の担当者を集めて、彼らの基本的な考え を積極的に伝える努力を始めている。カルソープは86年の著書にサステイナブル・コ ミュニティという言葉をはじめて使った。

3 、カリフォルニア州の州都サクラメントの南西約26kmに人口約4万6000人の デービス市がある。このデービス市の一角にマイケル・コルベットの設計で新しい町が建 設された。ビレッジホームズである。ビレッジホームズは、81年に完成したニュータウ ンで、敷地面積24万m²、住宅戸数240戸の、小さな町である。多くの樹木は落葉樹で あり、その半分は豊かな果樹を実らせる。敷地内の自動車道は、通常の道路に比べて細 く、曲がりくねっている。自動車道とは別に、歩行者用および自転車の道が町の中を縦横 に数多く巡らされている。この町の特徴を列記すると、地域内での食料の生産、自然を生 かした排水システム、自動車道の工夫、多数の歩行者用・自転車用道路、広いパブリック スペース。


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