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2016年5月30日 (月)

宇宙との一体感(その12)

宇宙との一体感(その12)

宮沢賢治の自然観(3)

この「宇宙のリズム」というのは、中路正恒の名付けた言葉であるが、ニーチェのいう「啓示というリズム」のことである。 ニーチェは哲学者として責任感旺盛できわめて慎重な性格だったということである。まじめすぎるほどまじめだったのである。そのまじめな彼が、その自信を持って本音を書いたのが、晩年最後の著書「この人を見よ」である。したがって、ニーチェの哲学の心髄を理解するためには、 晩年最後の著書「この人を見よ」がきわめて重要である。私はその内容を電子書籍「さまよえるニーチェの亡霊」で書いたのだが、実は、最重要な部分「啓示というリズム」、これは中路正恒のいう「宇宙のリズム」ということだが、その部分をうかつにも見落としていた。それをこの際、補充しておきたい。

『 ニーチェは『この人を見よ』の中で、自分のインスピレーションの経験を記している。』

『 インスピレーションとは(昔の人のいう)啓示(Offenbarung)である。』

『 啓示という事態は、リズム的な諸関係を(リズム的に)把握する直観(本能)(Instinkt)である。』


以上述べたように、ニーチェには啓示の体験があった。しかし、ニーチェとしては、「神の啓示」とは言えないので、何とか啓示の説明を科学的しようと当時の科学的知見をフル稼働して宇宙の波動というものを考え出した。そして、その「宇宙の波動」の働きによって、苦に満ちた現実の世俗の世界を肯定することができるとした。神に助けを求める必要はない、キリスト教に助けを求める必要はない、あの世に行って安らぎを得るなどと妄想する必要はない。現実の世俗の世界をイキイキと生きる道を歩いて行くべきだ。それがニーチェの基本的な思想である。そのことをニーチェをして悟らしめたのが、「啓示と言うリズム」なのである。つまり、それが中路正恒のいう「宇宙のリズム」なのである。ニーチェは「宇宙のリズム」を感じることができた。


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