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2016年5月12日 (木)

山地拠点都市構想(その140)

山地拠点都市構想(その140)

第6章 山地拠点都市構想の実現に向けて(16)
第3節「自立的発展」を目指す(3)
1、山地の新たな「産業おこし」(2)

(2)小水力発電

再生可能エネルギーの全量買い取り制度(FIT)が2012年7月に始まったのを受け、国土政策研究会小水力発電等研究部会での検討も熱を帯びたが、その後、具体的な動きをしているうちにそう簡単に事業化はできないということが判ってきた。今後どうすれ ば良いか? そこが問題なのだが、その点については、のちほど述べるとして、とりあえ ず、小水力発電についての一般的な説明をしておきたい。

小水力発電は、ソーラー発電や風力発電と異なり、天候に左右されにくいため電気を安定
供給できる強みがある。 まずこのことをしっかり頭に入れておいてほしい。小水力発電
は、大規模な投資が不要で、ある程度の水量と落差があれば安定的な発電が可能である上 に、適切な維持管理さえすれば長期間運営できて、減価償却後の利益は非常に大きい。こ の点もソーラー発電や風力発電にない大きなメリットである。

しかも、市町村が事業主体の場合は「山の霊魂」の働きが期待できる危機的市町村の「エネルギーの地消地産」に役立つし、山地の新たな「産業おこし」に役立つ。ただし、これについては誤解を避けるために 少々説明が必要だ。市町村が行う場合にも買電が必要である。電力買い取り価格と発電コ ストとの差額が市町村の利益になるのだが、それをプールするシステムを市町村に新たにつくる必要がある。企業会計というか特別会計みたいなものだが、産業振興基金と呼ぶの がふさわしい。そのプールされた資金を地域の産業振興に使うのだ。要するに、市町村は 小水力発電で、儲ける訳だが、その儲けが少ない場合であっても、赤字を出さないで20 年ほど頑張っておれば、減価償却後は必ず儲かるので、その後は100年間ほど産業振興の役に立つという訳だ。

国土政策研究会小水力発電等研究部会では、具体的な動きをしているうちに小水力発電はそう簡単に事業化はできないということが判ってきた。今後どうすれば良いか? そこが いちばんの問題で、その点についてこれから私の考えを述べておきたい。まず第一の問題 点は、良い発電サイトをどうやって探すかである。発電の概略設計と採算性を概算できる 技術者というのは非常に限られている。通常のコンサルタントではできない。第二の問題 は地元対策である。これは市町村の熱心な関与がないとまず難しいと考えておいた方が良 い。第3の問題は建設費の調達である。市町村には金がないので、いきおい純粋の民間事 業かPFI事業とならざるをえないが、資金をどう調達するかが大きな課題である。その他 にも水利権許可の問題などもあるが、大きな問題は以上の三つである。これらについて は、個別案件として個別に検討し、解決の道を見つけなければならない。いちばんの問題 は市町村長のやる気だと思う。「山の霊魂」の働きが期待できる危機的市町村で、やる気のある市町村は、是非、国土政策研究会と相談して ほしい。


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