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2016年4月15日 (金)

山地拠点都市構想(その136)

山地拠点都市構想(その136)

第6章 山地拠点都市構想の実現に向けて(12)
第2節 中枢都市との「交流」について(6)
6、ビジター産業(1)

わが国のアイデンティティーは「違いを認める文化」にある。これをどのようにして文 明にまで高めるかがこれからの課題である。今回の東日本大震災という未曾有の国難に直面している今,日本は大転換を図らなければならない。パラダイムの転換,価値観の転換 を図らなければならないのだ。いろんな課題が山積しているが、ここではそれらの課題の 内「リズム」と「野生の精神」の観点から,ビジター産業の育成について話をしておきた い。ビジター産業は単なる観光産業ではない。ビジター産業は、いわゆる観光産業のほ か、研修や会議、スポーツ大 会、グリーンツーリズム、草の根国際交流などを対象と し、その整備からサービス提供までさまざまな職業があり得る。ビジター産業で重要な点 はコンテンツ産業を含むということだ。

コンテンツ産業とは、インターネットで入手する情報を作る産業のことである。各地域 の歴史と伝統・文化に もとづいて作られるものすべてがその対象となり、地域の人々が 幅広く従事できる。コンテンツ産業は,大都市より地方都市,地方都市とは地方拠点都市 のことをいうが,それよりもっと小さい小京都のような盆地都市の方が有利であるように 思われてならない。歴史と伝統・文化に恵まれて、山あり川ありの大変「スピット」の多 いところだからだ。「リズム」に恵まれているのである。盆地都市は、是非、世界都市へ の道を歩んで欲しい。そして、積極的に、ビジター産業の育成に努めて欲しい。
また、ビジター産業の育成を行う場合、盆地都市など地方都市のほか、京都や奈良など 日本の「歴史と伝統・文化」を語る上で欠かすことのできない都市がある。ここでは奈良 に焦点を当てて私の年来の想いを述べておきたい。

日本には「違いを認める文化」というものがある。もし文化面で 日本が世界に大きく 貢献できれば、世界は変わる。世界平和のための国際貢献、これこそわが国の最大の課題 だが、その基本は国際交流を深めることで ある。そして、国民参加の国際交流で大事な ことは世界の人びとに来てもらうことである。世界の人々には大いに日本に来てもらっ て,日本が「違いを認める文化」の国であることを感じてほしい。日本が「平和の国」で あることを肌で感じて欲しいのだ。
私は、国土交通副大臣のときに、河合隼雄や中沢新一とも相談をし,「文化観光懇談会」なるものを作った。今後,「文化観光」の旗を振ることとしたのである。観光は、そ の土地の光り輝くもの、つまりいちばん誇りに思うものを見てもらうということだ。私た ちの世界に誇りうる文化,それは「違いを認める文化」であるし、「ひっくり返し」の思 想である。
「ひっくり返し」の思想については、第3章第3節で『「祈り」によって、「内なる悪 魔」や「外なる悪魔」を「内なる神」や「外なる神」にひっくり返さないといけないので ある。「ひっくり返し」・・・,この言葉を覚えておいて欲しい。』と述べ、第3章第6 節では『 御霊神(ごりょうしん)は「ひっくり返し」によって怨霊が守護神になったも のであり、田の神や水の神などの自然神とはその生い立ちが違うけれど、除災(災厄を除く)という点では同じような力を持つ。災厄とは、世の中にあっては天変地異凶作などであり、個人にとっては貧窮疾病(ひんきゅうしっぺい)である。』と述べ、「祈り科学」 シリーズ4の第4章では『 私たちはよく「私なんかしょっちゅう,往生してますわ!」と 言いますが,本来的にはこういう言葉の使い方がおかしいかも。しかし、往生していない けれど,往生したいと願う心がこもっているのかもしれない。私が思うに,「ひっくり返 し」の思想であるのかもしれないということだ。』と述べ、「祈りの科学」シリーズ5の 第4章では『 源信は,元三大師の弟子である。元三大師の化身が角大師だが,先に述べ たように,その角大師の姿を天皇がお刷りになってお札として人々にお配りになった。角 大師は、角を二本持っているので鬼のようでもあるし,何か妖怪のようでもある。誠に不 思議な絵姿だ。それがお札となって人々の幸せをもたらす。これはまさに怨霊が守護神に なるのとまったく同じだ。逆転の発想がある。「ひっくり返し」の哲学がある。』と述べ た。どうも日本文化には「ひっくり返し」の思想が貫かれているように思う。


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