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2016年4月 3日 (日)

老子(その29)

老子(その29)

老子とプラトンとの繋がり(14)
老子とプラトン

以上説明したように、プラトンは「宇宙のリズム」の働きを重視した。そして、すでに述べたように、 老子は、「宇宙のリズム」を感じながら宇宙の実在、万物生成の原理を思考したのではないかと思われる。 したがって、老子とプラトンは「宇宙のリズム」という点で同じような考えを持っていたと考えても良いだろう。

さらに、老子は「玄牝の門」とプラトンは「コーラ」はほとんど同じものなのである。

私には「玄牝の門」についての論考があり、そのなかで、内田樹の説明を次のように紹介した。すなわち、

『 老子の「玄牝(げんぴん)の門」とは、「谷神不死。是謂玄牝。玄牝之門、是謂天地根。緜緜若存、用之不勤。」に出てくるのだが、この文は「 谷神(こくしん)は死せず。これを玄牝(げんぴん)と謂(い)う。玄牝の門、これを天地の根(こん)と謂う。緜緜(めんめん)として存(そん)する若(ごと)く、これを用いて勤(つ)きず。」と読むが、その意味は「谷間の神は奥深い所で滾々と泉を湧き起こしていて、永遠の生命で死に絶えることがない。それを玄牝(げんぴん)---神秘な雌のはたらきとよぶ。神秘な雌が物を生み出すその陰門、それこそ天地もそこから出てくる天地の根源とよぶのだ。はっきりしないおぼろげなところに何かが有るようで、そのはたらきは尽きることがない。」という意味である。』

『 「万物を生み出す谷間の神は、とめどなく生み出して死ぬ事は無い。これを内田樹は「玄牝(げんぴん) – 神秘なる母性」と呼んでいる。この玄牝は天地万物を生み出す門である。その存在はぼんやりとはっきりとしないようでありながら、その働きは尽きる事は無いと解釈されているので、「玄牝(げんぴん)の門」は女性の穴のことを言っていると思われる。』・・・と。

老子は、「宇宙の実在」を「道」と言っているが、時には、「天」と言ったり、「天地」と言ったり「谷神(こくしん)」と言ったりしている。老子はどうも、女が子供を産むということを終始念頭においていたようで、それに対する哲学的思考を重ね、宇宙の原理を悟ったらしい。

すなわち、老子は、「道、一を生じ、一、二を生じ、二、三を生ず。三、万物を生ず。万物は陰(いん)を負い、陽(よう)を抱き、冲気、もって和(わ)と為す」と言っているが、この文で、「道」は「宇宙の実在」、「一」は天地の始め、「二」は陰と陽、「三」は冲気の意味である。冲気とは陰と陽とを組み合わせるものである。一、二、三というのは、男子があり、女子がある、二になる、子供が産まれる、三になる、それからだんだん大勢子供ができる。そういうことを老子は着目し、根源的な思索を重ねていったらしい。

一方、すでに説明したように、プラトン哲学にも「コーラ」という概念がある。プラトンの「コーラ」と老子の「玄牝の門」はほとんど同じ概念であり、その点が老子とプラトンの共通点であるといえる。もちろん、その後の思索の仕方が違うので、老子の哲学は東洋的、プラトンの哲学は西洋的ということだが、その根本のところで共通点があるということは、今後、老子の哲学がプラトンの哲学を呑み込んでしまう可能性があるということだ。それが今後いちばん期待される「グノーシス」だ。




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