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2016年3月22日 (火)

山地拠点都市構想(その131)

山地拠点都市構想(その131)

第6章 山地拠点都市構想の実現に向けて(7)
第2節 中枢都市との「交流」について(2)
2、 道の駅、新たな発展(1)

2011年9月22日、山口県阿武町で「道の駅社会実験二十周年記念シンポジ ウム」が行われた。地域の人を中心に二日間にわたって熱心な議論が行われ、多く の示唆に富む意見が述べられたが、その中から、コメンテーターとして参加された 山口大学名誉教授の小川全夫先生などの主な意見を紹介し、そのあとで少々私の意 見を述べてみたい。まず主な意見は次のとおりである。

1、「道の駅」ができることで、地域の人々が「道の駅」を自分たちのまさに拠点 として、いろいろな活動をすることになった。今まであった地域資源に対し温かい 人間の知恵を付けて商品にする、そのきっかけを作ったのも「道の駅」の効果であ る。
2、全国に98O近い駅があり非常に乱立。業態がワンパターン化しているような感 じもある。ドライバーだけでなく、地域のお年寄りや子育てをする母親にも便利な 「道の駅」であるためには地域の人たちの人間性を回復するような機能が必要。そ のためには研修・交流・生きがいを感じさせるスペースなどワンストップ生活サー ビスの機能を取り込む必要がある。少子高齢化の波は避けることはできないので、 そこに焦点を当てた新しい「道の駅」づくりが必要だ。
3、「道の駅」を物を売るという面からだけ見るのではなく、地域の人に「道の 駅」が自分たちの暮らしを守る拠点であることの理解を如何に深めるか? 住民の 使えない「道の駅」になると、それでもう「道の駅」の存亡が決まる。そういう意 味で「道の駅」をもう一度住民の目線に立って考えてみることが必要ではないか。
4、何故農村は今のように疲弊したのか? 農業は第一次産業の担い手と自己規制 してしまった。農業は本来すべての人間の暮らしを支えるものを生産する機能を備
えていなければならなかったのに、単に農産物を作ればよい、あとは誰かに任せて お金になればよいという仕組みに乗つかってしまった。これを今後も続けて行く限
り農村は浮かぶ瀬はない。自分たちが持っていたいろいろな物がバラバラになって しまい、日常生活を支える機能のすべてを分業化の中で最終的には都市に依存して しか生きていけないようなものにしてしまった農村が今日あり、それをもう一度取 り戻すための導火線、糸□のようなものとして「道の駅」がある。
5、単に行政に作ってもらい、そこで細々と何かをやって満足するのではなく、自 分たちがこの道路の傍に生きる住民として、何を動かし、どうしたら自分たちがそ こで生きるための新たな道が見つかるかということに本気になることが大事。
6、顧客のニーズに合った製品やサービス買ってもらうためのマーケティングでな く、社会が求めている考え方を充分理解し、それを社会に浸透させるためのマーケ ティングをソーシャル・マーケティングというが、それが今注目されている。「道 の駅」は住民にとっての新たなステーションとして活用することが重要だと考えら れるので、ソーシャル・マーケティングをやる必要があるかもしれない。周辺の人 はみな高齢化している。高齢化した人たちの安心・安全・安定を担保するような機 能(例えば介護医療に関する機能)を付けたらどうか。
7、個々バラバラで競争するとおそらくすべてがダメになる可能性がある。道路を 共有する駅同士、或いは地域の「道の駅」「青空市」「朝市」などが協働してイベ ントなどを行うのも一つの方法。
8、経営のあり方も今までのように第三セクターありきの考え方はもう止めてもよ いのではないか。その辺りを少し考えてみてもよい時期。今までのように物販中心 の「道の駅」のやり方もあるだろうが、「道の駅」のあり方として次の時代を考え て行く。
9、これからの「道の駅」は福祉・災害がキーワードになっていくだろう。点より 面的な位置付けで、ドライバーが来やすいことプラス地域の人が集まりやすい「道
の駅」にする。「駅に来ると何かある、誰かいる」、これがこれからのキーワー ド。
10、「道の駅」も今は行政に力があるから成り立っているが、これもいつ立ち消 えるか解らない。その時にどうするかの対応も考えていかなければならない。「道 の駅」に完成型はない。これからまだまだ地域の住民の対応によって変わってい く。
11、農家民宿では、他と競合しないよう義務付けられた農業体験というのが邪魔 している。農家・漁家だけでなくサラリーマン民宿などいろいろな型があってよ い。客層も変わって来ている。ヨーロッパでは祖父・祖母と孫の組み合わせも。今 後高齢化社会の中で、どんな人が利用して行くのか、阿武町でも少しターゲットを 絞った民泊を考え、道の駅との関係を検討すべき。


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