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2015年11月10日 (火)

ネパールの陰(その4)

ネパールの陰(その4)
ネパールの陰
3、貧困地域における僧侶の役割(1)
ある宗教団体の本部から派遣された僧侶がまずやるべき仕事は、布教活動を始めることだろうが、いずれそのうちに、寺院を創建しなければならない。
貧困地域においては、ある程度の力はあるにしても、その力だけで寺院を創建することは難しいだろう。どうしても団体本部からの支援が必要だが、寺院が創建されれば、さまざまな宗教活動が行えるようになる。定期的な宗教儀式が行われるようになるし、若い僧侶を育てる学校もできるだろうし、虐げられた女性の駆け込み寺もできるだろう。その他に、私がもっとも期待するのは、その地域に宮沢賢治のような慈悲深い人が出てくることだ。その可能性は十分ある。何故か? その説明はたいへん難しいが、以下において、その説明をすることとしたい。
まず最初に申し上げたいことは、宮沢賢治の真髄である。宮沢賢治は単なる童話作家ではない。たいへん慈悲深い人であった。
〔雨ニモマケズ〕
宮澤賢治
雨ニモマケズ
風ニモマケズ
雪ニモ夏ノ暑サニモマケヌ
丈夫ナカラダヲモチ
慾ハナク
決シテ瞋ラズ
イツモシヅカニワラッテヰル
一日ニ玄米四合ト
味噌ト少シノ野菜ヲタベ
アラユルコトヲ
ジブンヲカンジョウニ入レズニ
ヨクミキキシワカリ
ソシテワスレズ
野原ノ松ノ林ノ蔭ノ
小サナ萓ブキノ小屋ニヰテ
東ニ病気ノコドモアレバ
行ッテ看病シテヤリ
西ニツカレタ母アレバ
行ッテソノ稲ノ朿ヲ負ヒ
南ニ死ニサウナ人アレバ
行ッテコハガラナクテモイヽトイヒ
北ニケンクヮヤソショウガアレバ
ツマラナイカラヤメロトイヒ
ヒドリノトキハナミダヲナガシ
サムサノナツハオロオロアルキ
ミンナニデクノボートヨバレ
ホメラレモセズ
クニモサレズ
サウイフモノニ
ワタシハナリタイ

南無無辺行菩薩
南無上行菩薩
南無多宝如来
南無妙法蓮華経
南無釈迦牟尼仏
南無浄行菩薩
南無安立行菩薩

宮沢賢治の理想とする人間像は、この歌に表れているように、慈悲深い人間である。喧嘩や争いがあれば、止めろと諭す、そういう人間である。つまり、地域に虐めがあれば、つまらないから止めろと諭す、そういう人間である。

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