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2015年5月13日 (水)

相互扶助の原理

相互扶助の原理

テツオ・ナジタは、その著「相互扶助の経済ーーー無尽講・報徳の民衆思想史」(2015年3月、みすず書房)で、次のように述べている。すなわち、

『 私は本書をとおして、民衆の経済が公的秩序の外側で形成されたことを指摘した。このことは徳川時代の幕末体制と、近代のよりいっそう強力な明治国家の 枠組みにおいても当てはまる。西洋の歴史記述では、一般民衆は上からの命令に率直に従うものだ、というステレオタイプが依然として主流だが、本書はそれと は異なる展望を描いている。民衆は知の第一原理としての自然を前提として地域の生活を維持するために行動しているのであって、政治的な命令を必要条件とし て行動してはいないことを強調しておきたい。私は、この歴史が現在の地域に根づいた市民運動に密接に結びつき、自然環境に呼応してこれを守り、道徳的な経 済という人間らしい原則を促すこのであることを確信している。』
・・・と。

そうなのだ。私たちは、国家権力、その典型は市場原理を支える「円」という日銀券だが、そういう国家権力によって、国の基本である農がおかしくなり、耕作 放棄地が増えている。上述の文脈から言えばこれは非道徳的な経済であり、本来の農業を取り戻したいという運動も起こってきている。東日本大震災や阪神淡路 大震災のときなどもそうだが、近年、ボランティア活動が盛んに行なわれた。上述のように、民衆は、知の第一原理としての自然を前提として地域の生活を維持 するために行動しているのである。

こういった道徳的な経済という人間らしい原則を、今後、私は「相互扶助の原理」と呼びたいと思う。

さて、最近、福岡県において、「糸島夢農園」という運動や「循環型レジャー農村プロジェクト」という運動が始まっている。

「糸島夢農園」:http://member.fukunet.or.jp/yumenouen/

「循環型レジャー農村プロジェクト」:https://www.facebook.com/npo.Quilt/timeline

これらの運動は、成功するかどうかこれからの推移を見なければならないが、「相互扶助の原理」の働く運動であり、このような新しい運動が波及的に起こることが予感される。

私は「相互扶助の原理」に大いなる希望を持ちたいと思う。そして、私としては、どうすれば家族農業が復活するのか、その方策をいろいろと考えていきたい。

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