« 食糧危機 | トップページ | 再び地域通貨について »

2015年3月 8日 (日)

祭りこそ!

秩父には四百ほどの祭りがある。中でも、 十二月上旬に華々しく行われる秩父夜祭(秩父市)をはじめ、農民ロケット祭りの異名をいただく龍勢まつり(吉田町)、銃声の轟くなかを神馬が駆け抜ける鉄 砲祭り(小鹿野町)などが全国に知られている。しかし、これら代表的な祭りのほかにも、山々に囲まれた秩父盆地には、多彩な祭事がいまに受け継がれている。先ほどは、私の住んでいる山田の春祭りを紹介した。
https://www.youtube.com/watch?v=OZRb_YAwCTQ

 秩父は山国である。しかも、秩父古生層特有のヤカンの底のような地形から、平地が少なく又川からの 水を得にくい。したがって、耕地と集落は河岸段丘上や傾斜の緩やかな山に、谷川や泉の水の量に応じ発達せざるを得ないのである。「耕地」と称する十戸、 二十戸といった小集落が数多く点在するのはそのせいだ。わりに平坦な河岸段丘上には町並みも発達しているが、みんな小規模である。地質年代の古さに起因する 複雑な地形とあいまって、生活の単位となるムラの数が多いということだ。 だから、お祭りや伝統行事が小規模ながらもムラごとにまことに多い。私は、それぞれの「耕地」において行われているあくまでも素朴な伝統行事に魅力を感じている。私たちがとっくに無くしてしまった「ふるさと」がそこにある。
私は、そういった秩父の風土に憧れて、昨年10月に秩父に引っ越した。今は秩父 市だが昔の高篠村で字は矢行地という。ヤマトタケルノミコトが武甲山から射った矢の行き着いた土地という地名伝説があるが、ともかく歴史的に古い土地で、 秩父観音霊場巡りは一番、二番、三番札所の扇の要みたいな所にある。矢行地の入り口に「獅子舞之里」の碑が建っていて、古くから伝わる獅子舞が地元の誇りになっている。 大天狗を先頭に三頭の獅子や耕地の顔役が、笛や太鼓のリズムに合わせてゆっくりゆっくり耕地のなかを練り歩いてゆく。春の祭りであり、一年の無事を 祈って練り歩くわけだ。そして、一巡のあと、森の広場でその伝統の獅子舞を舞うのである。
http://www.kuniomi.gr.jp/geki/iwai/yagyouti.pdf

 このような素朴な祭りはほんとうに心にしみる。日本人の昔からの生活を象徴するこのような祭りが各地にまだまだ残っている。こような文化的財産を私たちは何とかして守っていかなければならない。私はしみじみとそう思うのである。しかし、今は人口の大都市集中の時代であり、過疎地域の問題はいよいよ深刻化してきており、古くか ら日本人にしみついているはずの祭りという文化が日に日に希薄になりつつある。日本人の暮らしの源泉ともいえるような祭り、心の深奥に宿っている遠い記 憶・・・・。その回路が断たれるということは、日本人の魂みたいなものが消えるということであり、ひいては日本のアイデンティティーが消えるということになる。

« 食糧危機 | トップページ | 再び地域通貨について »

文化・芸術」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/1117507/59194762

この記事へのトラックバック一覧です: 祭りこそ!:

« 食糧危機 | トップページ | 再び地域通貨について »