« 山地拠点都市構想(その1再掲) | トップページ | 山地拠点都市構想(その2再掲) »

2015年2月15日 (日)

熊のことは熊に訊け(その11ヒグマの食べ物③)

熊のことは熊に訊け(その11ヒグマの食物③)

ヒグマの食物は、おおむね主食、嗜好品(サプリメント)、大好物の三つに分けて捉えることができる。
主食とはその時期に比較的大量にあって、ヒグマがまあまあ好んで食べるもの。代表的のは、6月のフキである。そして8〜9月のデントコーン。デントコーンというのは、牛などの家畜の飼料用のコーンでヒトの食べるトウモロコシとは異なり、かなり大雑把に高密度に栽培される。北海道ではごく普通の作物。さしたる主食のない時期は、前半が新芽・草本、後半は木の実、それぞれいく種類かを食べ合わせ主食代わりにしている感じだ。例えば、秋なら、ヤマブドウ・コクワ・マタタビあたりのツル科の植物の実全体は主食代わりに働く。ヒグマの調査に行く時は、まず、その時期、その地域の主食や主食代わりが何であるかを見定めて現場に入る。その地域のヒグマの動向を決めるもっとも大きな要素が、この「主食」「主食代わり」と呼んでいる食物である。
嗜好品というのは、多少語弊があるが、ヒトのおかずやおやつ、あるいは栄養食・サプリメントに当たるいろいろな草本・キノコ・木の実・昆虫などの食べ物で、この部分に個々のヒグマの好き嫌い・経験・習慣の違いがもっとも現れやすく、個体識別を行う時の一材料となることが多い。
およそどんなヒグマでも、見つければ好んでどんどん食べあさるものがある。これを「大好物」と呼んでいる。夏のある時期に無数に落下して足の踏み場もなくなるほどのヤマグワ、あるいは、近年、駆除や狩猟で増えたシカの死骸などはこの大好物に含んでいいだろう。また、人間の食物は、ヒグマが食べれば、だいたい食べあさるので大好物になりうる。

ヒグマの好みと摂取できる栄養価は必ずしも一致しないが、栄養価が高く、大好物で、なおかつ大量に存在するという・・・ヒグマにとって完全無欠のような食物がある。それが遡上サーモンだ。北海道のヒグマは、この最強の食物が適正に遡上して来るか来ないかでその動向を容易に変える。

« 山地拠点都市構想(その1再掲) | トップページ | 山地拠点都市構想(その2再掲) »

文化・芸術」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/1117507/58940952

この記事へのトラックバック一覧です: 熊のことは熊に訊け(その11ヒグマの食べ物③):

« 山地拠点都市構想(その1再掲) | トップページ | 山地拠点都市構想(その2再掲) »