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2014年12月20日 (土)

熊のことは熊に訊け(その2わが人生)

熊のことは熊に訊け(その2わが人生)

ウィルダネスの響きに誘われてめざしたアラスカの原野。
ラストフロンティアの森には、学び、生きる上での全てが在った。
傍らに置いたキャンドルの炎が今にも闇に吸い込まれていきそうな静寂の夜、
恐ろしいほどの底のない孤独とともに森に同化する我を感じ、
暖かな安堵を自らの内に感じ取った。

国家、国境という取り決めに迫られ構えた日本の拠点、北海道・北大雪。
そこは、古参のきこりが「熊の巣」と呼ぶ深く険しい谷だった。
山中の風倒木を人力で引き出し、独り黙々建てたログキャビン。
アラスカへの鋭気を養うはずのこの場所で、山から目線で人を眺めた。

風雲が怪しく向きを変えたのは、丸太を刻む作業の真っ只中。
私を待ちかねたように、この地で始まった野生動物の駆逐劇。
容赦なく殴打(おうだ)され動かなくなるキタキツネ、
生身の粗大ゴミのように運ばれるエゾシカ、
そして、野次馬の笑い声の中で銃弾を撃ち込まれ息絶えるヒグマ。
夏の終わり、心に凍るような風が吹いた。
野生動物の尊厳はかけらもなく、何かが根本的に狂って見えた。

さらばウィルダネス。
命と魂を繋いだ恩ある森と河の風景を飄然(ひょうぜん)と見送りながら、
ヒグマとヒトの軋轢の渦中に身を投じた。
行く手は彼方、北海道におけるヒグマとヒトの共存。
道は一筋、ただそこに続いていた。

以上の通り、岩井基樹は、野生動物の尊厳を守るために、ヒグマとヒトとの共存を目指し、北海道で自分の人生を生きることを決意した。

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