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2014年10月28日 (火)

山地拠点都市構想(その24)

山地拠点都市構想(その24)
第1章 日本の政治

第6節 市場経済について

 市場経済は、ポピュリズムを生み出す。ポピュリズムは、現在のところ、「民意!民意!」と言いながら、本当に民意が反映しているのか? 以下、そのことを説明しよう。

 市場経済社会とは、すべての生産者と消費者との関係で成り立っている。この場合、生産者とは企業だけではなく、個人的に、物やサービスや芸などを売っている人を含んでいるが、経済社会に与える影響力は企業の力が圧倒的に大きい。プロシューマという面白い言葉がある。生産消費者 (せいさんしょうひしゃ、prosumer) もしくは生産=消費者、プロシューマーとは、未来学者アルビン・トフラーが1980年に発表した著書『第三の波』の中で示した概念だが、生産者 (producer) と消費者 (consumer) とを組み合わせた造語であって、生産活動を行う消費者のことをさす。清水博の関係子(メディオン)もそうだが、両者が「響き合い」の関係にある。そういう響き合いというものはあるのだが、第一
次的に主体をなすのは、関係子(メディオン)であり、生産者(プロデューサー)である。

 さて、企業は、生産物を売ってより多くの利潤を追求しようとする。そのために企業はさまざまな戦略をたてる。企業の存続と成長は、現在から将来にわたる市場の動きと変化の中で、それらの背後に ある基本的原則を踏まえて対応し、長期的に安定した利益をできる限り多く確保できる状態を、自らの働きかけを通じていかにして造りだせるかにかかっている。このような存続と成長の基盤を競争企業より優位なものとして造りだそうとすることを、「差別的優位性の追及」などと呼ばれたりする。企業経営の本質は、「差別的優位性」の追求であるといって も過言ではないだろう。

 「差別的優位性」を追求する企業の経営戦略において中心的役割を果たすのが、マー ケティングである。マーケティングがその重要な役割を果たすには、現在から将来にわたる市場の動きと流れの中で、活動の基本的方向を定める戦略と、それにもとづいてヒト・モノ・カネという資源を用いて行う活動の仕組みを必要とする。  企業は現在から将来にわたって、財・サービスを商品として消費者に提供し、その見返りよりなる売上高から、それを開発・生産・流通・することに要した費用を差し引いた利益を最大になるよう行動する。売上高は数多くの企業が提供する商品の中から、消費者が選択し購 買することによって生み出される。企業が売上高を上げるには、商品そのものの質、価格、広告、それに販売促進である。
 このように企業が売上高を上げるために、消費者に対して働きかける活動がマーケテ ィングと呼ばれている。その働きかけは、上記の四つを基本的要素として組み合わせる ことによってなされ、その組み合わせをマーケティング・ミックスと呼んでいる。

 市場経済社会とは、すべての生産者と消費者との関係で成り立っているが、企業の力は絶大で、企業の論理で動いているといっても過言ではない。消費者は、それに飼いならされてしまっている。消費者は企業の生産したものを買うだけである。消費者は神さまなどということもあるけれど、消費者は結果を買うだけである。もちろん、結果として市場に出てくる商品を買って、使ってみて善し悪しを感じてはいるが、生産に消費者の論理が働く訳ではない。プロシューマとしての消費者は、生産にも携わるけれど、会社の中で働いているだけで、おおよそ消費者の論理が使われている訳ではない。消費者というものは、弱いものである。生産者のあてがいぶちを生きているのである。それが市場経済社会の本質だ。
 市場経済社会で、消費者は、 結果として市場に出てくる商品を買って、使ってみて良し悪しを感じるだけである。このことは、政治も言えることで、政治家が作る政治的な物や事をただ受け取って、その良し悪しをいうだけである。かかる観点から、政治家が作る政治的な物や事は政治商品と言い代えてもいい。一般大衆は、生活用品をスーパーマーケットで買うがごとく、政治商品を買っているのである。したがって、一般大衆は、難しい事
は何も考えなくていい。とにかく気に入った物を買っておればいい。そして、後で、良い
とか悪いと言っておれば良いのである。こういう情けない状態も、結局は、市場経済のなせる技である。市場経済社会である以上、それでしかたがない。

 政治家は、企業がそうであるのと同じように、良い政治商品を一般大衆に提供していけば良いのである。それがポピュリズムの本質だ。


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