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2014年10月16日 (木)

山地拠点都市構想(その17)

山地拠点都市構想(その17)
第1章 日本の政治

第4節 今西錦司のリーダー論(その1)

 私は京都大学で大学生活を送ったが、その中心は土木工学科の村山朔郎研究室と山岳部であって、素晴らしい多くの先輩と同僚,そして後輩に恵まれて、今日の私がある。そのなかでもいちばんご縁の深かったのが松尾稔君である。研究室も一緒だったし、山岳部も一緒だったし、悪友という言葉が適当かどうかわからないが、大学時代の試験勉強も一緒にやったし、しょっちゅう飲みにもいった。彼は親分肌で、いわゆるリーダーである。彼と一緒の時は常に彼がリーダーであって、私はサブリ−ダーである。
 大学を卒業してから、研究室の柴田徹先生を会長にして楽友地盤研究会という親睦団体をつくってそれなりの勉強もやってきたが、その実質的な会長は松尾稔君であった。その時代の勉強の成果は、「21世紀・建設産業はどう変わるか―建設エンジニアのパラダイム転換」(楽友地盤研究会著、松尾稔監修、2001年2月,鹿島出版)にまとめられているので関心のある方は是非ご覧戴きたい。柴田先生が亡くなってからは、松尾稔君が会長で名前も楽友研究会に変えて今も集まりを続けている。それができているのも松尾稔君のお陰である。松尾稔君は、名古屋大学の総長をながくやったし、土木学会長もやったことのある立派な学者である。
 今回の東日本大震災は日本が経験したことのない未曾有の大災害であり、これから日本は価値観の大転換を図り、この国難に立ち向かっていかなければならない。私も残る人生をかけてできることを精一杯やっていく覚悟であるが、価値観の大転換を図るためには、今西錦司に学ぶことが多いし、また今西錦司の教えを受け継いでいる松尾稔君に学ぶべきことも多い。かかる観点から、2011年5月25日に松尾稔君との対談を行なった。それについては、YouTubeにアップしてあるので是非ご覧いただきたい。
http://www.youtube.com/watch?v=pebArgmgfXw
 この対談では,松尾稔君と私の仲であるのでいっさい敬語を使わないことにしたし、二人とも京都育ちであるので京都弁でしゃべることとした。公に出すものとしてはあるいは不適当であるかもしれないが、二人が仲の良い京都人であることに免じてお許しいただきたい。この対談では、松尾稔君から、今西錦司のリーダー論について存分語ってもらっている。

岩井  今日はざっくばらんにねいろいろお聞きしたい。まず最初にね、二人とも山岳部なんだけど、僕の場合はね、卒業してからすぐに建設省に入ったからね、山の方も自然に途絶えていった。あなたの場合は、ずっとね、大学に残ったからね。山とのご縁も切れずに、山岳部の諸先輩方のご縁も切れずにやってきたし、特に今西さん(今西錦司)だとか、桑原(桑原武夫)さんだとか、西堀(西堀栄三郎)さんだとかね、親しくしていたでしょ。可愛がられたというかね。まぁ、そういうのがあるんですけど、特にその中で、やっぱりボスはね、今西さんなんだよね。
松尾  完全にそう。
岩井  そう、僕も何度か会合に出たんよ。山岳部のね。その時にね、諸先輩おられるとね、必ず今西さんが真ん中や。それで、その横に西堀さんがおったり、桑原さんがおったりしたんですね。ところで、今西さんのリーダー論ってあるでしょ。松尾は松尾の自分のリーダー論があるかと思いますけど、まず、今西さんのリーダー論からね、ちょっと話してもらえませんか。
今ね、ちょっとね、日本はリーダー不足なんですよ。会社もそう、政府もそう。良いリーダーに恵まれてないよね。やっぱりリーダーを育成せないかんなと僕なんかは思ってるんだけど、リーダー論についてちょっと語ってくれませんか。
松尾  あのね、ともかくリーダーっていうのはね、組織であれ、社会であれね、これは最重要や。しかし、今回の大災害に関連して言えばリーダー不足は深刻や。今回、名前を上げるのは差し控えるけども、当該の企業にしてもね、政府関係にしてもね、リーダー不在というのは、いかに悲惨かということをね、もう、多くの国民が感じてると思う。
 岩井も山岳部やから、よく知ってるようにね、山岳部の部室ではね、いつも皆んなが自由に書けるノートがあった。あの中にね、毎日誰かが、リーダー論を書いていた。というのは、なんでかというと我々の場合はやね、へまなリーダーと一緒に山に登ったら死んでしまうわけやないか。
岩井  そうそう(笑)
松尾  山登りでは岩とか雪山やらやるからね。生命がかかってるわけやから、言われたとおり動かないと死んでしまう。だから、それが身に染みてるわけやね。ま、そういう背景があってね、特に山岳部の系統なんかではね、リーダーの良し悪しというのは常に頭に置いておかんとイカン。で、そういう中で僕個人のことでいうとね、今、君が言うたように、やっぱり山岳部で、君があげたような巨人というべきような人たちと親しくしていただいたというのはね、自分の人生観を決定づけた。と、僕は思うんやけどね。
岩井  なるほど


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