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2014年9月22日 (月)

霊魂の哲学と科学(その68)

霊魂の哲学と科学(その68)

おわりに(2)

私は、上述のように、「平和原理」を追い求めている。そしてまた、上述のように、桜井邦朋は「人間原理」が物理学の最新知見にもとづいて言われていることを述べている。
「人間原理」は「宇宙の意思」である。私は、ニーチェの「重力の魔」と「力への意思」について、私の電子書籍「さまよえるニーチェの亡霊」のなかで詳しく説明したが、「重力の魔」の働きかけにもめげずに、高見に向かって階段を一歩一歩登っていくには、「神」に「祈り」を捧げることが必要である。「神」に「祈り」を捧げるということは、「神に伺いを立てる」ということであり、「神」に「さよう、さよう」という声なき声を聞くことである。「宇宙の意思」とは、「神」、それは創造主とか唯一絶対神と呼んでも同じことだが、「神」というものは「正義」を好む。「悪魔」は不正義を好む。したがっ
て、「神に伺いを立てる」ということは、正義に向かうことでもある。しょっちゅう「神」に「祈り」をささげている人は道を誤ることはない。「正義の魂」が宇宙に満ちれば、国家は平和になる。「宇宙の意思」とは、「正義の魂」が宇宙に満ちることであるし、国家が平和になることである。
私たちは、学生の頃、幾何学の問題を解くのに補助線を引くことがよくある。プラトンは、「正義」ある国家とはどのようなものなのか、その答えを見出すために、「魂」という補助線を使った。そのような哲学者はプラトン以降に誰もいない。だから、プラトン以降の哲学はプラトン哲学の注釈にしか過ぎないといわれるのだが、ことほど作用にプラトンはまさに偉大な哲学者である。ただ問題は、それ以降に科学が著しく進歩して、上記のように、今や私たちは「神」の領域に迫りつつあるということである。したがって、今私たちがなすべきことは、現在の科学的知見のもとづいてプラトン哲学の注釈を行うことである。私は学者でないし誠に浅学なのだが、自分の今までの知見にもとづいてできるだけ「平和の原理」を明らかにしたいと思い、浅学に顧みず、「霊魂」という「プラトンの補助線」を使って、この本を書いた。おおむね私の目的は達したのではないかと感じている。「平和の原理」は「祈り」に秘められている。
私たちは、「神」に「祈り」を捧げながら、「正義の魂」を磨かなければならない。その魂(霊魂)は宇宙における「神の領域」に永久に存在して、子々孫々に良い影響を及ぼし、国家は、次第次第に「正義ある国家」になっていき、「平和国家」が実現していくだろう。これが「宇宙の意志」である。ゆめゆめ悪魔の付け入る隙を与えないように・・。

役行者、空海、円仁などは「山の霊力」をどのように感じたか? おそらく彼らは、「神」を感じたにちがいない。そして、それに触発されて日本独特の宗教をそだてていった。それが修験道や東蜜や台蜜である。
「山の霊力」というのは「自然の霊力」の一つにすぎないが、そもそも「自然の霊力」というのは、桜井邦朋が言う「神の意志」によるものであり、ホーキングの言う「神のみわざ」によるものであろう。すなわち、最新の科学的知見にもとづいて言われている「人間原理」でもある。人間が自然を畏敬し、また「神のみわざ」を信じて、「祈り」を捧げるように、宇宙の設計図が描かれているのかもしれない。

私が言う「民話的妖怪」は自然の不思議な現象を、昔、農民が「名付け」をし、代々語り伝えられてきたもので、民話に登場する妖怪である。現在アニメなどに登場する妖怪が、私のいう「芸術的妖怪」である。「民話的妖怪」は、自然現象の不思議とつながっており、「自然の霊力」の現れである。その根源は、ホワイトヘッドのいう「エネルゲイア」であり、それはホーキングのいう「神のみわざ」によるものと言ってよい。すなわち、「民話的妖怪」は、「神」とつながっているといえばつながっている。しかし、それは霊魂ではないので、特殊な場合を除いて、「祈り」の対象ではない。特殊な場合とは、天狗と鬼の場合をいうが、その特殊性については第1章第2節に詳しく書いた。「民話的妖怪」は農民の生活空間、里に出没する妖怪である。それに対し、天狗や鬼は、まあいわば異界と里との境界領域に出没する。里の人びとにとっては山は異界である。その異界には山の民の霊魂のみならず、動植物の霊魂が存在する。その総体が「山の霊魂」である。いずれ機会を見て私の霊魂論「山の霊魂」を書きたいと思う。乞うご期待! そのことを申し上げここらで私の霊魂論「霊の科学」を終わりたいと思う。

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