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2014年7月29日 (火)

霊魂の哲学と科学(その15)

霊魂の哲学と科学(その15)
第5章 霊魂の哲学について(8)
第3節 ホワイトヘッドの霊魂観(2)

1、活動的存在(2)

みなさんもよくご存知のように、あらゆる物質は分子からで来ており、その分子は原子核と電子からできている。それらはさらに細分化されて、究極的には、量子の世界になる。
量子の世界では、例えば光りについて理解されているように、粒子は波動であり、波動は粒子である。この世界は波動の海である。

このことについては、拙著『「祈りの科学」シリーズ(1)第11章』(2012年1月、新公論社、電子出版)に書いたので、ここでその部分を紹介しておく。すなわち、
『ところで、皆さんはあらゆる物質はエネルギー(波動)であるということはご存知であろうか?物質が波動であることは量子物理学の常識であって,非科学的な話ではない。あらゆる物質は「波動」なのである。だから、私たち人間もその波動を感じてあらゆる物を見えるままに認識しているのである。人間みんなが見ているリンゴは貴方の見ているリンゴとまったく同じリンゴである。しかし,他の動物がリンゴをどのように見ているか,それはその動物になってみなければ判らない。違う形や色に見えているかもしれない。「波動」とはそういうものである。 ところで、「外なる神」を科学的な立場から理解するには、浜野恵一の「脳と波動の法則・・・宇宙との共鳴が意識を創る」(1997年3月,PHP研究所)が一番良い。関係する図書はいくつかあるけれど,一度はこの本を是非読んでもらいたい。』・・・という部分である。
なお、私たち人間も宇宙も同じではないかということは、「1リットルの宇宙論・・量子脳力学への誘い」(治部眞里、保江邦夫、1991年3月、海鳴社)が良い教科書になるかと思うので、是非、それを読んでいただき量子の世界の理解を深めてほしい。

では、その要点を以下に紹介しておきたい。
『細胞膜を貫通するように存在する膜タンパク質の中には、内側の部分で細胞質の細胞骨格とつながり、また外部の部分では細胞外マトリックスとつながっているものがある。』
『細胞骨格や細胞外マトリックスと呼ばれるタンパク質フィラメントは、大脳皮質の中に織りなす網目状の立体構造をしており、これが梅沢先生のいう「大脳皮質自由自在」である。その中を伝搬する何らかの波動運動の存在が考えられます。』
『ミクロの世界ではの波動運動は、場の量子論によって正しく記述できる。そこでは、一般的にいえることだが、一定の振動数を持った電磁場の波動運動によって、光子というエネルギー量子が飛び回っている。大脳皮質自由度の中の波動運動についても全く同じことがいえる。場の量子論の教えるところによれば、大脳皮質自由度の波動運動も何らかのエネルギー量子の運動と考えられる。』・・・と。
 これがスチュアートン量子、つまり南部・ゴールドストーン量子であるポラリトンにほかならない。「1リットルの宇宙論」での説明によると、ポラリトンは、ニューロン内部だけでなく外部にも存在し、大脳皮質全体にあまねく拡がっているらしい。このことについて、「1リットルの宇宙論」では次のように言っている。すなわち、
『このポラリトンガ、宇宙における光子のように直接に見ることができるならば、脳の表層を覆う大脳皮質はポラリトンの集団が飛び交う、まばゆいばかりの宇宙として写るのではないでしょうか。ポラリトンは1リットルの宇宙、脳の中に輝く満点の星に譬(たと)えられるのです。』・・・と。
 実に良い譬(たと)えですね。美しい。この満天の星に譬えられるポラリトンが引き起こす物理現象が、どうも記憶や意識のもとになっているらしい。このことを「1リットルの宇宙論」では次のように言っている。すなわち
『大宇宙の中で電子が引き起こす現象といえば、超伝導、オーロラ、ファイヤーボールの生成など、どれをとってみても光子が重要な役割を果たしています。実は、光子と電子は互いに密接に関連していて、ことに電子は光子をやり取りすることによって互いに作用し合うという性質を持っています。』・・・と。
 「1リットルの宇宙論」では、光子が脳の中でも重要な役割を果たしていると言っているのだが、この点については次のように説明している。すなわち、
『わが国の現代物理学の父と謳われている仁科芳雄の研究や、ノーベル物理学賞をとられて朝永振一郎の研究は、電子と光子についての不思議な性質を解き明かす研究だったのです。光子があってはじめて、電子は多様な物理現象を生み出し大宇宙を美しく飾ってくれるのです。いくら場の量子論をもってきたとしても、もし電子なら電子だけ、あるいは光子なら光子だけしか存在しないのであれば、そこには何も起こらないといってよいでしょう。これもまた場の量子論からの帰結なのです。
 朝永振一郎やアメリカのファインマン、それにスイスのスチュッケルなどにより、電子と光子の間の素過程を記述するための量子論である量子電磁力学が完成したのは20世紀の中頃のことでした。その時点から、われわれは電子の運動の背後には必ず光子が存在し、宇宙の中を駆け巡る電子たちは光子によって互いに強く結びつけられることを知っています。このような電子と光子のつながりがあってはじめて、一つの電子は他の電子と関わった運動を見せることができるのです。
 これと同じことが1リットルの小宇宙、脳の中を駆け巡るポラリトンたちの運動についてもいえるのです。』・・・と。

 以上、ホワイトヘッドの「活動的存在」というものをきっちり理解するためには、量子の世界をある程度理解しておく必要があると考え、少し横道にそれたかもしれないが、縷々述べさしていただいた。場の量子論というのは、宇宙全体に適用される一般的かつ普遍的な理論体系だが、脳の中のミクロの世界にも適用できる統一的な物理法則であり、脳に関する物理的な学問は量子脳力学と呼ばれている。量子脳力学では、生命というもの、記憶や意識というもの、そして心の実態というものが、物理的に理解されるようになってきている。私のつたない説明をきっかけとして「1リトルの宇宙論」を読んでいただければ、私としては大変ありがたいと思う。
要するに、量子の世界では、宇宙と人間の脳に限らず、ホワイトヘッドのいう「活動的存在」は、すべて同じ原理で動いているのである。「活動的存在」の生成する原理を「エネルゲイアの原理」という。この「エネルゲイア」は「存続物」が変化(活動)するるためのエネルギーのことである。「エネルゲイア」は、目に見えるものばかりでなく、老僧の「悟り」とか今西錦司の「直観」のように目に見えないものも含む。そのような目に見えない「心の動き」もすべて「エネルゲイアの原理」によって生じてくるのである。「エネルゲイア」というものはまことに摩訶不思議なものである。では次項において、「エネルゲイア」について説明することとしたい。

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