« 明日香と阿知王(その6) | トップページ | 明日香と阿知王(その8) »

2014年6月11日 (水)

明日香と阿知王(その7)

明日香と阿知王(その7)

3、医心方と民間療法(3)

巻二十 服石篇Ⅱ 薬害治療
紀元前から不老長寿薬として、極秘に製法が伝授された錬丹術(錬金術)。その薬は賢者の石とか仙薬と呼ばれたが、百種以上の薬害があった。現代にも通じるその治療法を初めて明らかに。

巻二十一 婦人諸病篇
乳房や子宮のポリープ、人には言いづらい多様な症状についての治療法が網羅された『婦人諸病篇』。国文学に精通する筆者が「医心方全訳精解」に30年を費し、遂に著わす本書は、王朝文学や人間学、社会史、女性史、宗教など各分野に新しい視座を与える。

巻二十二 胎教出産篇
妊娠月別針灸禁止のツボ及び諸注意、胎教、ツワリの治療法、妊婦と胎児のための養生法、流産防止と妊婦の諸病の治療法ほか、胎児と母体保護のための三十七章より成る。国宝半井本の中で流転の運命をたどった貴重な巻。

巻二十三 産科治療・儀礼篇
既刊の巻二十二に続く産科篇。穢れの思想の源流を始め、出産時・産前産後の禁忌・呪法・儀礼のほか、難産・逆児・死産や産後の諸症に関する理論と治療法を五十章にわたって収める。仏典からの抄録、奇想天外な薬剤等、考古学・歴史・古典・民俗学に役立つ。

巻二十四 占相篇
不妊の悩みの解決法、男女の生み分け方、生年月日、時刻、星宿、七神、人相、
体形等による占い、父母兄弟姉妹との関係、わざわいを避けるための命名法、孔子や伍子胥の人相もあり、歴史や古典が面白くなる必見の書。

巻二十五A 小児篇Ⅰ
儀礼、命名、育児、治療など八十八章。出生児の大半が六歳前に死亡した古代の命名や儀礼・呪術にこめた切実な祈り。知恵熱、疳疾、先天的疾病、皮膚病ほか小児特有の治療法を網羅した「小児篇」は二分冊で刊行。現代人が学ぶべき育児法も数多あり、各分野の研究者必携の書。

巻二十五B 小児篇Ⅱ
小児特有の夜泣きやひきつけ、種々の疫病、皮膚病や腫瘍、運動機能障害、言語障害、過食症、けがや誤飲の応急処置等々にみる古代人の驚くべき知恵と工夫。現代中国で癌治療に生かされている薬の記述もある。『源氏物語』の解釈や民俗学、動植物、土石鉱物の研究にも役立つ貴重な書。

巻二十六 仙道篇
何日も飲まず食わずで耐える術や丸薬、虎・狼・鬼を避ける術から、火遁水遁の術まで、これまで架空の人物とされてきた仙人たちのさまざまな処方―忍法虎の巻とは、この巻のことを言ったのでは、と思われるおもしろさ。

巻二七 養生篇
健康や養生に対する老荘哲学の理念、精神衛生、未病対策などが盛り込まれ、さまざまな分野の研究者に役立つ。
健康に適した日常の坐臥・歩行・姿勢、衣食住や罪に対する意識など、興味深い知識が満載されている。
インドのバラモンの秘方や吐故納新術、ヨーガや太極拳、五禽戯のルーツ、庚甲信仰、ひなまつりの起源にもふれる。

巻二十八 房内篇
かつては性愛の秘本として医心方の代名詞にされ、"発禁の書"となった「房内篇」。国文学に精通する筆者が「医心方全訳精解」に30年を費し、遂に著わす本書は、王朝文学や人間学、社会史、女性史、宗教など各分野に新しい視座を与える。

巻二十九 中毒篇
食事・酒・水に関する諸注意、飲食・飲酒による諸症の治療法、断酒法、食べ合わせと食中毒、誤って異物を呑みこんだ場合の救助法など、古代ならではのユニークなものから現代に通じるものまで五十一章に収める。

巻三十 食養篇
天地陰陽の交わりによって五行の気を享けて生じた穀物24種、果物41種、肉類45種、野菜52種を収める。その効能だけでなく、なまだと害のあるもの、多食してはいけないもの等の指摘もある。食文化を知る上で必見の巻。



« 明日香と阿知王(その6) | トップページ | 明日香と阿知王(その8) »

文化・芸術」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/1117507/56465693

この記事へのトラックバック一覧です: 明日香と阿知王(その7):

« 明日香と阿知王(その6) | トップページ | 明日香と阿知王(その8) »