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2014年5月11日 (日)

御霊信仰の歴史的考察(その1)

御霊信仰の歴史的考察(その1)

第1章 御霊信仰の歴史的考察

第1節 御霊信仰の定義と御霊信仰の背景

非業の死を遂げたものの霊を畏怖し、これを慰和してその祟りを免れ安穏を確保しようとする信仰は古来のものである。原始的な信仰心意にあっては死霊はすべて畏怖の対象となったが、わけても怨みをのんで死んだものの霊、その子孫によって祀られることのない霊は、人々に祟りをなすと信ぜられ、疫病や飢饉そのたの天災があると、その原因は多くそれら怨霊や祀られざる亡霊の祟りとされた。

「日本書紀」崇神天皇7年2月条に、「天皇が疫病流行の原因を卜(ぼく)して、神託により大物主神の児大田田根子を探し求めてかれをして大物主神を祀らしめたところ、よく天下太平を得た」・・・とあるのは、厳密な意味ではただちに御霊信仰と同一視し難いとはいえ、その心意には共通するものがあり、御霊信仰の起源がきわめて古いことを思わしめる。

しかし、一般に御霊信仰の盛んになったのは平安時代以後のことで、特に御霊の主体として特定の個人、多くは政治的失脚者の名が挙げられてその霊を盛んに祀られるようになる。

以上は、「神道史大辞典」(薗田稔、橋本政宣編、2004年6月、吉川弘文社)による説明であるが、御霊信仰について要領よくしかも判りやすく説明してある。しかし、その定義については、国家(朝廷)の係わり合いの説明がないので、私は、御霊信仰を次のように定義したいと考える。すなわち、

『 御霊信仰とは、非業の死を遂げたものの霊を畏怖し、これを慰和してその祟りを免れ安穏を確保しようとする信仰であり、かつ、その祭祀が天皇の権威に基づいて或いは背景として執り行われて文化化したもの。』・・・と。

この定義に従うと、御霊信仰の三要素として次の三項目を考えねばならないということになる。

1、非業の死を遂げた人の霊が存在すること。

2、天皇の権威に基づいて或いは背景として執り行われる呪力による祭祀が存在すること。
3、その祭祀が文化化され、国民の間に広く行われているお祭りが存在すること。


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