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2014年4月24日 (木)

正義の偽装(その54補足説明第4号の2)

正義の偽装(その54補足説明第4号の2)

近代文明は行き詰まり、現在、新しい文明を創り出すまさに大転換期にある。人と人、そ して人と自然の共存在の実現に、いまや「救済者」の出現が待ち望まれ ているのであっ て、そこで問われるべきは、具体的にどうすればいいかということである。具体的にどう すれば「共生の論理」にもとづく新しい文明が作られる かということである。そのこと はいうまでもなく「劇場国家にっぽん」の最大の課題であるというべきだが、具体的に は、私たち一人一人がコミュニティ的生命世界に生きるということである。それを可能に するのは、いうまでもなく、「共生の論理」である。
私は、今後、西田幾多郎の「場所の論理」や中村雄二郎の「リズム論」と田邊元の「種の 論理」や中沢新一の「モノとの同盟論」、さらには森岡正博の「生命の哲学」など・・・ を統合する哲学として、清水博の「共生の論理」を採用したいと思う。

さて、清水博は、そういう「共生の論理」にもとづく文化、それは「違いを認める文 化」だが、そういう文化を「場の文化」と呼んでいる。そして、日本は、歴 史的には、 仏教を基礎に普遍的な「場の文化」を生み出した経験をもつ世界でも特殊な国であると いっている。私もそう思う。私は、歴史をひも解けば容易にそ ういう「場の文化」や仏 教を基礎とした普遍的な「違いを認める思想」に行き当たる。したがって、わが国の歴史 と伝統文化を大切にするということは「共生の論理」にもとづく新しい文明を創造する ことに他ならないと思うのである。

政治は妥協である。ジョン・グレイの「暫定協定自由主義」である。しかし、政治家個人 個人はそれこそ「自由」に自分の主義主張を持って、侃々諤々の議論をして欲しい。し かし、最後は妥協であって、相手の立場も理解し、できるだけ相手の意見を尊重しなけれ ばならない。これからはグローバルな地球の時代である。 私たち日本人が内田樹(たつ る)のいうようにいつまでも「辺境の精神」でいて良い訳が無い。これからは、国際社会 にあって、日本人のみ「沈黙は金」という 精神でやっていっではだめであろう。私は、 ジョン・グレイの「暫定協定自由主義」を政治哲学のレベルだけでなく、一般の「哲学」 としても磨きをかけていく 必要があると思う。その鍵は、「スピリット」と「生命」で ある。中沢新一や森岡正博などのすばらしい日本の哲学者に大いに期待したい。


修験道はわが国の古代信仰(スピリットの世界)と結び付いた道教の流れと見ることがで きるし、密教は古代信仰(スピリットの世界)をそれなりに取り入れた山岳仏教だし、 徳一の仏教は古代信仰(グレートスピリットの世界)と仏教の本格的な習合を図ったもの と見ることができる。私は、「スピリット」に関する哲学 的な奥の深い思索を重ねるこ
とによって、自ずと「共生の哲学」が出来上がっていくように思う。「スピリット」は、 「価値多元主義」を説明すると同時に、 ジョン・グレイの「暫定協定自由主義」がまさ に適切であるということを哲学的に証明し得る力を持っているように思われる。 では、ここで、私が今まで書いてきた「スピリット」に関する文書を紹介しておきたい。
http://www.kuniomi.gr.jp/geki/iwai/pspirit.html
http://www.kuniomi.gr.jp/geki/wa/index.html

この「暫定協定自由主義」と「スピリット(精霊)」というページを終わるに当たって、 最後に、ジョン・グレイの「わらの犬」(2009年10月、みすず書房)から、彼が 「スピリット(精霊)」に関してどのようなことを言っているかを紹介し、「暫定協定自由主義」と「スピリット(精霊)」とが深いところで繋がっているのではないか・・・と いうことを示唆しておきたい。彼はこう言っている。すなわち、
『  有史以前はもとより、歴史始まってこの方、人類は概して自分たちが多少とも周囲 の生き物たちとちがうとは考えなかった。狩猟採集民族は狩りの獲物を人間に優るとは言わぬまでも、まずは同等と見なしていたし、動物を神聖視して崇拝の対象とする古式の文化は少なくない。人間と動物を隔てる溝は越えがたいという ヒューマニストの認識は 誤りで、人間も動物も等しく自然の一員であると考える・・・「精霊信仰」こそが道理に かなっていよう。』・・・と。

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