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2013年11月 7日 (木)

習 近平に期待するもの(その5世界平和路線を歩むことができるか)

習 近平に期待するもの

5、世界平和路線を歩むことができるか?

「習 近平の密約」(加藤隆則と竹内誠一郎の共著、2013年4月、文芸春秋)では、習 近平の「中華意識」について、次のように述べられている。

『 習は、12年11月15日、18期一中総会で指導部選出後、初めての記者会見で、「我々の民族は偉大な民族だ。(中略)我々の責任は、全党全国各民族人民を団結し、先導し、歴史のたすきを受け取り、引き続き中華民族の偉大な復興を実現するために努力奮闘し、中華民族をさらに力強く世界の民族の中で自立させ、人類のためにさらに大きな貢献をすることである」と述べた。』

『 「太子党のDNA」が強く感じられたのは、習が総書記就任2週間後の2012年11月29日、常務委員の7人で国家博物館の常設展「復興の道」を参観した際の演説だ。同展は、アヘン戦争以後、欧米列強から分割危機にさらされながら、共産党の指導で抗日戦争に打ち勝って民族の独立を果たし、改革開放による発展を遂げた偉業をたたえる内容だ。習は参観後、会場内で原稿を見ることなく演説をし、「全党員は、立ち遅れれば殴られ、発展してこそ強くなれることを、しっかり肝に銘じなければならない」と列強の侵略を受けた近代史に言及した。さらに、「みんなにはそれぞれ夢があるが、私は、中華民族の偉大な復興こそ、中華民族が近代以来抱いてきたもっとも偉大な夢だと思う」と呼び掛け、「新中国成立から100年後(2049年)には、富強で、民主的で、文明を備え、調和のとれた社会主義近代化の国家目標は必ず実現され、中華民族の偉大な復興の夢は必ず実現されると信じる。(中略)我々は歴史上、如何なる時期よりも中華民族の偉大な復興の目標に近づいている。」と拳を振り上げ締めくくった。オーバーな仕草は、これまで見せたことのないパーフォマンスだった。「中国の夢」を朴訥な口調で語りかけるスタイルは、難解な社会主義の政治用語に辟易した庶民から好感を持たれた。演説は中国中央テレビ(CCTV)で放映され、同時に、それを見た視聴者が「中国の夢」への共感を語る反応が報じられた。』

『 2012年12月5日には、北京で経済や科学技術分野など外国人専門家との座談会を開き、「国際社会はますます、あなたの中に私がいて、私の中にあなたがいるという「運命共同体」になっている」と訴え、相互依存の世界観を語った。』

『 習 近平は総書記就任後二ヶ月以上経た2013年1月28日、政治局の第三回集団学習会で、対外関係について初めて明確な態度を表明した。習はこう語った。「平和発展の道は、我々の党が時代の発展と潮流とわが国の根本利益をもとに下した戦略的決定である。(中略)改革開放による発展、協力による発展、ウィンウィンの発展を堅持し、平和な国際環境を作り出すことを通じ、自分たちの発展によって世界の平和を維持し、促進し、絶えずわが国の総合力を高め、広範な人民群衆に平和発展の利益を享受させ、平和発展の道の物質的基礎と社会的基盤を固めなければならない。」「中華民族は平和を愛好する民族だ。戦争をなくし、平和を実現することは、近代以降、中国国民のもっとも切実で、もっとも深い願望だ。平和発展の道は、中華民族の優秀な文化伝統の継承、発展であり、やはり中国人民が近代以来の苦難に遭遇する中で得た必然的な結論である。中国人民は、戦争がもたらす苦難に対しては肝に銘じて忘れることのできない記憶があり、たゆむ事なく平和を求め、平和で安定した生活を非常に大切にしてきた。中国人民が恐れるのは混乱であり、求めるのは安定であり、望むのは天下太平だ。』

『 

『 2013年3月6日、北京で開かれた全国人民代表大会の遼寧省分科会に出席し、「中華民族の偉大な復興という中国の夢は、すでに全国民の共通の目標だ。中国の夢は精神の碑であり、みなが自分の求める理想をその中に含めることができる」と呼び掛けた。さらに、同月17日の全人代閉幕式では、国家主席として初めて公式の演説をし、「中国の夢」の内容を三点にまとめた。中国の夢を実現するには、5000年にわたる歴史の中で中華民族が受け継いできた「中国の道」を歩まなければならず、愛国主義の伝統と改革創造の気概に富んだ「中国の精神」を高揚しなければならず、中国人民の一人一人が夢を持ち、みながその実現のため「中国の力」を結集しなければならない、というのだ。個人を伝統や民族、国家の中に包含させようとする民族主義、国家主義が鮮明に現れている。』

『 習は「我々は歴史上、如何なる時期よりも夢に近づいている」と言った。「民族主義に支配されたネット世論」と「軍を中心とした対外強硬論」という二つの爆弾を巧みに操ることに成功すれば、中国が今後10年で米国と肩を並べる強国になることは間違いない。我々は、経済力と軍事力以外に力を示すことのできない大国の出現を望んでいない。そのために何ができるのかを、我々は考えていかなければならない。(注:私も同感だ。歴史と伝統文化に根ざし、発展させた新たな中華文明の出現のために私たち日本人に何ができるかを考えねばならない。日本と中国が一緒になって、世界平和を実現する「新たな世界文明」を創っていきたいものだ。』

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