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2013年11月22日 (金)

明日香の道教遺跡(その8須弥山)

明日香の道教遺跡
その8 須弥山
須弥山が宇宙の中心であるという世界観は、元来、インドのものである。それが道教にも影響を与えたが、仏教において成熟するようだ。 仏教宇宙観は「倶舎(ぐしゃ)論」(5世紀頃、世親作)に詳しく、それによると宇宙空間(虚空)には巨大な風輪が浮かんでおり、その上に水輪が、さらにその上には金輪(こんりん)が浮かんでいる。わが国では、江戸末期にはこの仏教宇宙観を一般に易しく理解させるため、リンが鳴り太陽と月が時計仕掛けで動く模型を考案した。これが「須弥山儀」である。
水輪と金輪の境目は「金輪際」と称され、金輪上には海水が満ちてあり、最外周は海水が流出しないように鉄でできた鉄囲山(てっちせん)で囲まれている。金輪の中央には金・銀・瑠璃・玻璃の四宝でできた須弥山がそびえ立っており、その高さは海抜8万ヨージャナ(1ヨージャナは約7Km)。その周辺を九山八海(くせんはっかい)が交互に存在し、八海には八功徳水(はっこうどくすい)が満ちている。海中の四方にはそれぞれ東勝身洲(とうしゅうしんしゅう)、南贍部洲(なんせんぶしゅう)、西牛貨洲(さいごけしゅう)、北倶廬洲(ほっくるしゅう)の4島があり、我々人間は南方の贍部洲に住んでいる。ただし、この地下には恐ろしい八大地獄が待ち構えているという。この贍部洲のみを模型にしたものが「縮象儀(しゅくしょうぎ)」である。

須弥山が宇宙の中心であるという仏教宇宙観がどういうものであるかは、まず代表的なホームページを紹介しておこう。
http://tobifudo.jp/newmon/betusekai/uchu.html

また、上の文章に出てくる 「須弥山儀」と「縮象儀(しゅくしょうぎ)」については、次のホームページに詳しく説明してあるので、それをご覧戴きたい。
http://www.ryukoku.ac.jp/about/pr/publications/63/05_treasure/index.htm

http://buddhism-orc.ryukoku.ac.jp/old/ja/exhibition_ja/20030619-20030801_001_002_006_ja.html


須弥山(しゅみせん、サンスクリット:Sumeru)は、古代インドの世界観の中で中心にそびえる山。インド神話ではメル山、メルー山、スメール山ともいう。
これらの山は、古代インドの世界観の中で中心にそびえる聖なる山である。この世界軸としての聖山はバラモン教、仏教、ジャイナ教、ヒンドゥー教にも共有されているが、世界最古の宗教と言われているシヴァ教において、どのような世界観を持っていたか、それをここに紹介しておきたい。アラン・ダニエルーの「シヴァとディオニソス・・・自然とエロスの宗教」(2008年5月、講談社)に、シヴァ教の世界観の中で中心にそびえる聖なる山について次のようにのべらている。すなわち、
『 シヴァの楽園のあるカイラス山は、素晴らしく美しい庭で覆われている。そこでは、ありとあらゆる種類の動物、ニンフ、精霊といった仲間たちが神を取り巻いている。この悦びにあふれる場所には、幸福をもたらすすべてがある。裸身のヨーガ修行者の格好をしたシヴァも、そこで暮らしている。「シヴァ・プラーナ」のルドラ・サンヒター18章)』

『 カイラス山は、シヴァの住まう光り輝く至福の山である。』
『 人間の世界で、シヴァは半狂人の物乞いとしてあらわれるが、神々がカイラス山を訪ねると、シヴァは眩しいばかりに美しいすがたに変わる。』
『 ヒンドゥー寺院は山を表象する。聖域の鐘楼や尖塔を見ると、山のファロス的な外貌が連想される。山という魔術的な場に近づく時、人は畏敬を感じる。そこは神々が住まう場所、賢者が聖なる霊感を授かるためにこもる場所である。』・・・と。

世界最古の宗教・シヴァ教の聖なる山を中心とした宇宙観が、バラモン教、ジャイナ教、ヒンドゥー教、仏教に受け継がれてるが、特に、仏教において独特の進化をする。中国における聖なる山は、本来、須弥山(崑崙山)であったが、 仏教宇宙観の進化とともに天台山において重要視されるようになる。天台山の仏教宇宙観が最澄により天台宗にも伝えられるので、平泉は毛越寺のかの有名な浄土式庭園も天台山の宇宙観を表象している。このように、世界最古の宗教・シヴァ教の聖なる山を中心とした宇宙観は、仏教を通じてわが国に多大な影響を与えているのだが、私としては、道教の宇宙観を重視したい。それは、世界最古の宗教・シヴァ教の聖なる山を中心とした宇宙観の心髄は、多の宗教に受け継がれていなく、道教にのみ受け継がれていると考えるからである。それは何か? それは老子の道、すなわち宇宙の原理である。このことは誠に重要で、のちほど少し触れるが、その前に、天台山の宇宙観と須弥山式庭園に関連する代表的なホームページを紹介しておきたい。

http://www.ncku.edu.tw/~chinese/journal/JRCS4/06.pdf

http://muso.to/teienn-moutuji.htm


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