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2013年11月 1日 (金)

薄熙来(その2盗人の親玉を紅い皇帝と呼ぶな!)

薄熙来

2、「盗人の親玉」を「紅い皇帝」と呼ぶな!

薄氏は古都・重慶を代表する豪邸を自宅として使っていたのだろうが、ここは1945年8月、日本軍が降伏後、毛沢東と蒋介石が中国共産党と国民党による国共合作を話し合った歴史的建造物でもある。まさに重慶の“皇帝”にふさわしい居宅といえる。
 薄氏が“紅い皇帝”であることを思わせるのは自宅ばかりではない。不正蓄財の額もまさに桁外れだ。当初、米ブルームバーグ通信が約110億円と伝えたものの、その後、香港メディアなどによって約1000億円、そして4800億円に膨れ上がった。 それらが薄氏の推進した市の緑化事業や低所得者向け住宅建設計画などの原資になったとみられるが、一部は薄氏の個人的な不正蓄財に回されたことも否定できない。その使い道の一つの象徴が、薄氏の息子、薄瓜瓜氏(24歳)の海外豪遊生活だろう。同氏は英オックスフォード大学を卒業後、米ハーバード大学ケネディス クール(大学院修士課程)に進んでいるが、豪華マンションに居住し、高級車を乗り回していた。薄熙来の 不正蓄財の額はまさに桁外れだ。 なぜなら、党機関紙「人民日報」によると、薄氏の月給は公式には1万元(約13万円)だからだ。

重慶市トップや党政治局員などの職務を突然解任された薄熙来氏。氏の不正蓄財は4800億円にのぼるとの一部報道もあるが、なぜそこまで中国の役人は儲かるのか。そのカラクリを大前研一氏が解説する。
政府は農民から収奪した農地を商工業地や住宅地に用途転換して転売し、差益を得ている。それが役人の不正・汚職の温床となり、農民の不満につながっているのだ。中国の役人の腐敗は度を越している。 たとえば、先に失脚した薄熙来・前重慶市書記の場合、不正蓄財が1000億円あったとされる(約4800億円を海外送金していたとの報道もある)。だが、 あのポジションで1000億円は少ないほうだと言われている。遼寧省の小さな市の課長を逮捕して調べたら、2000億円の不正蓄財が見つかったという情報 もある。本人はクリーンに見えても、たいがい妻や息子、娘の夫など一族郎党が不正蓄財に手を染めている。誰でも叩けば埃が出てくる体なのだ。 今の「チャイナ・リスク」を最も肌で感じているのは、当の中国人たちだろう。中国商務省の調査では、過去約30年間で海外に逃亡した汚職官僚は約4000 人、着服金額は約500億ドル(約4兆円)に上る。また、今年3月の全国人民代表大会における温家宝首相の政府活動報告によれば、海外に逃亡した役人のう ち1631人を逮捕し、海外で77億9000万元(約1013億円)の現金や資産を差し押さえたという。しかし、これは氷山の一角にすぎない。
さらに、中国国内事情に詳しいジャーナリストの相馬勝氏が役人の蓄財に関する実情を解説する。そもそも、中国では権威を利用してのコネクション・ビジネスが留まるところを知らないという。ブルームバーグ通信(今年4月23日付)によると、国会に相当す る全国人民代表大会(全人代)の代表委員の長者番付上位70位の資産合計は900億ドル(約7兆2000億円)で、これは米政府・議会のトップ660人の 資産合計の12倍にも上るらしい。
不正蓄財のはびこる中国の役人の中でも薄熙来の不正蓄財は方はずれに大きい。上記の中国人ジャーナリストが薄熙来を「紅い皇帝」と言うのも、判らない訳ではない。しかし、薄熙来が紅い皇帝というのは適当でない。皇帝というのはその国に一人いるだけであり、薄熙来は地方の党最高幹部であったが、所詮、中国人共産党の最高指導者、私は今皇帝と呼んでいるが、その部下でしかない。中国人民共和国で皇帝と呼びうるのは中国共産党の最高指導者でしかない。
皇帝というのは、いくら贅沢な生活をしても良い。それが原因で天命が下ってその座を追われることはない。しかし、皇帝の部下である官僚が贅沢な生活をすることは許されない。現在でいえば、中国共産党の下部組織の人間ということになるが、そういう下っ端がその権力にもとづいて不正蓄財を行えば、今皇帝、つまり中国共産党の最高指導者から処断されるのは当然である。部下たるものは、今皇帝、つまり中国共産党の最高指導者に忠誠を尽くさなければならないのである。今皇帝に鉄槌をくだせるのは、天命だけである。天命とは皇帝にとって絶対的なものだ。では、天命はどういう場合にくだるのか? それは人民、中国の場合、農民ということだが、人民の信頼を失った場合である。それは数字で表されなくとも、天帝が見て判断されるのである。それが天命である。

老子は次のようにいっている。『朝廷では官僚の汚職邪悪がまかり通り、田畑はあれ放題、コメ蔵はすっかり空っぽなのに、きらびやかな衣服を身にまとい、立派な剣を腰に差し、飽きるほど飲み食いし、財産は有り余るほど。これを盗人の親玉という。道ではないのだ。』・・・と。
道とは、宇宙の原理のことである。天帝がいちばん嫌うのは、皇帝自らが人民、すなわち農民をおろそかにすることと、皇帝の部下が自分自身の欲に溺れて農民をおろそかにすることである。薄熙来は老子のいう「盗人の親玉」であったのだ。

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