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2013年9月19日 (木)

2、対華21ヶ条

2、対華21ヶ条

対華21ヶ条要求とは、第一次世界大戦中、日本が中華民国政府とおこなった外交交渉において提示した21か条の要求と希望のこと。二十一か条要求などとも呼ばれる(中国語版では「二十一条」)。これが孫文をして抗日運動に向かわせる原因となった。
第一次世界大戦が欧州で始まり、日本は第三回日英同盟協約により1914年8月23日にドイツ帝国へ宣戦を布告し連合国の一員として参戦した。中華民国はドイツ権益が中華民国政府の管理下におかれるべきと要求したのだが、日本政府は戦時国際法上の軍事占領として日本軍が管理するべきものとした。大隈重信内閣(加藤高明外務大臣)が清朝(袁世凱)に行った「5号21か条の要求」は、主に次のような内容であった。
第1号 山東省について。*ドイツが山東省に持っていた権益を日本が継承すること。* 山東省内やその沿岸島嶼を他国に譲与・貸与しないこと。*芝罘または竜口と膠州湾から済南に至る鉄道(膠済鉄道)を連絡する鉄道の敷設権を日本に許すこと。*山東省の主要都市を外国人の居住・貿易のために自ら進んで開放すること。
第2号 南満州及び東部内蒙古について。*旅順・大連(関東州)の租借期限、満鉄・安奉鉄道の権益期限を99年に延長すること(旅順・大連は1997年まで、満鉄・安奉鉄道は2004年まで)。* 日本人に対し、各種商工業上の建物の建設、耕作に必要な土地の貸借・所有権を与えること。*日本人が南満州・東部内蒙古において自由に居住・往来したり、各種商工業などの業務に従事することを許すこと。*日本人に対し、指定する鉱山の採掘権を与えること。* 他国人に鉄道敷設権を与えるとき、鉄道敷設のために他国から資金援助を受けるとき、また諸税を担保として借款を受けるときは日本政府の同意を得ること。*政治・財政・軍事に関する顧問教官を必要とする場合は日本政府に協議すること。*吉長鉄道の管理・経営を99年間日本に委任すること。
第3号 漢冶萍公司(かんやひょうこんす:中華民国最大の製鉄会社)について。*漢冶萍公司を日中合弁化すること。また、中国政府は日本政府の同意なく同公司の権利・財産などを処分しないようにすること。*漢冶萍公司に属する諸鉱山付近の鉱山について、同公司の承諾なくして他者に採掘を許可しないこと。また、同公司に直接的・間接的に影響が及ぶおそれのある措置を執る場合は、まず同公司の同意を得ること。
第4号 中国の領土保全について。*沿岸の港湾・島嶼を外国に譲与・貸与しないこと。
第5号 中国政府の顧問として日本人を雇用すること、その他。*中国政府に政治経済軍事顧問として有力な日本人を雇用すること。*中国内地の日本の病院・寺院・学校に対して、その土地所有権を認めること。*これまでは日中間で警察事故が発生することが多く、不快な論争を醸したことも少なくなかったため、必要性のある地方の警察を日中合同とするか、またはその地方の中国警察に多数の日本人を雇用することとし、中国警察機関の刷新確立を図ること。*一定の数量(中国政府所有の半数)以上の兵器の供給を日本より行い、あるいは中国国内に日中合弁の兵器廠を設立し、日本より技師・材料の供給を仰ぐこと。*武昌と九江を連絡する鉄道、および南昌・杭州間、南昌・潮州間の鉄道敷設権を日本に与えること。*福建省における鉄道・鉱山・港湾の設備(造船所を含む)に関して、外国資本を必要とする場合はまず日本に協議すること。*中国において日本人の布教権を認めること。

第一次世界大戦後の1919年1月のパリ講和会議によってドイツから山東省権益が日本に譲渡されたのを受けて、中国全土で「反日愛国運動」が盛り上がった。五・四運動である。この運動以降、中国の青年達に共産主義思想への共感が拡大していく。このように明治維新への共感にもとづき日中の連携を模索した孫文にとって、日本による対華二十一ヶ条要求は「維新の志士の抱負を忘れ」、中国への侵略政策を進展させることであった。

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