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2012年10月12日 (金)

私の電子書籍「書評<日本の文脈>」の「はじめに」

はじめに(書評「日本の文脈」について)


 東日本大震災からはや一年がすぎた。昨年の大震災は津波被害はいうに及ばず福島電発の放射能汚染の被害も重なって,まさに未曾有の国難である。私は,戦後の国難よりはるかに困難な事態であると考えている。戦後の復興に当たっては,アメリカという国の指導があったし,また国が目指すべき方向もはっきりしていたのではなかったかと思う。しかし今回は違う。世界のどこにもないまったく新しい価値観で立ち向かわなければならないのである。パラダイムの転換が不可欠であると思う。
 パダイムシフト、そこにはもちろん哲学に裏打ちされた思想が必要だ。地域づくり、国づくりについても、今までにない方法で人々に希望と勇気を与えながら、国民みんなが力を合わせてこの国難に立ち向かうことが何より大事なことだ。私は今こそ、価値観を変えなければならない。そのためには、日本の長い歴史と伝統・文化の中でその文脈に合ったあらたな哲学と思想が必要だ。今までの私の哲学や思想では何かが欠けているのではないかと思わざるを得ない。そう考えている矢先に、中沢新一と内田樹のこの「日本の文脈」が出版された。中沢新一から贈られてきたのでむさぼるように早速読んだが、まず驚いたのは内田樹の見識だ。
 内田樹と中沢新一の始めての対談は、「四谷ひろば」の「くくのち学舎」のキックオフイベント「これからの日本にほんとうに必要なもの」というテーマの対談だった。2009年7月5日に行われた。私が内田樹の存在を知ったのはそのときが始めてである。話もうまいし人気があった。さすが神戸女子大の先生だなあと思って何となく縁があるなあと感じた。私の母親は、三人姉妹とも神戸女子大出身であるからだ。彼はレヴィナスの第一人者である。哲学の面でも中沢新一にはないものをもっているが、内田樹は武道家である。植芝盛兵の流れを汲む合気道の達人だ。植芝盛兵は北海道は白滝に長く住み、白滝が合気道の聖地みたいになっているが、私は植芝盛兵の神社に何度かお参りしている。的場さん、八木さん、丹羽さんなど私の友人が白滝に何人かいて、その人たちがその神社の再建に奔走していたりしていたからだ。そういうご縁がないと植芝盛兵の神社などその存在を知る由もない。
 そんなことから内田樹には特別の関心を持つようになり、彼の最近の著書は「日本辺境論」「構造主義的日本論」「街場の中国論」「寝ながら学べる」などいくつかは読んだが、レヴィナスに関するものは勉強せずにきた。今回のこの「日本の文脈」を読んで、はじめてレヴィナスの哲学の一端を知り、またユダヤ人の本質や日本の芸能・能の本質などを知り、目から鱗が落ちたような気がしている。ありがたいことである。

 私は,広島で建設省中国地方建設局長をしていたときに,地域づくりの実践活動をやりながら,「哲学の道研究会」という組織をつくって、哲学の道にのめり込んでいった。河川局長を辞めて,河川環境管理財団の理事長時代にも全国総合開発計画の見直しに当たって,小論文を書くなり,平和な国づくりについていろいろ思索を重ねてきた。そして参議院時代に上梓した「劇場国家にっぽん」に引き続いて,地域づくりの立場からずっと「哲学の道」を歩いてきた。
 その後,参議院議員を引退してからも,景観哲学の勉強をしたり,ジョン・グレイの政治哲学を勉強したり,サンデルの「正義論」を勉強したり,柄谷行人の「トランスクリティーク」や「世界史の構造」を勉強したり,エンデの思想を勉強したり,「尊厳」や「祭りの魔術化」について、あるいは「地域コミュニティの哲学」や「地域通貨の哲学と実践」について書くなどいろいろ勉強を重ねてきた。その間,中沢新一の著書はすべて勉強してきている。そして、今後,日本は世界の文明を変える力を発揮するだろう確信を持つようになったのである。
 そして今思うのは、内田樹の存在の大きさである。きっと彼は中沢新一と力を合わせ大きな仕事をやってくれるに違いないと思う。特に、私は、「野生の感性」や「野生の精神」や「野生の思考」など「野生の研究」が二人の力によって進むことを確信している。みなさんにはそのことを今回の私の書評で感じていただければこんなうれしいことはない。

私の電子書籍「書評<日本の文脈>」は、電子書籍ショップで購入していただけると誠にありがたいと存じます。
http://honto.jp/ebook/search.html?athid=1001816269

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