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2012年10月19日 (金)

道の駅が日本を救う!

平成17年10月31日(月)、「道の駅価値創造セミナー」(主催:株式会社日本総合研究所)が催行されました。私も「これからの道の駅」と題した基調講演を行いました。この講演内容が今や私にとって貴重な資料となっていますので、ここに掲載しておきます。

道の駅が日本を救う!

 平成17年10月31日(月)、「道の駅価値創造セミナー」(主催:株式会社日本総合研究所)が催行されました。私も「これからの道の駅」と題した基調講演を行いました。その要点は次の通りです。
(1)今、全国で800ほどの道の駅になっているんでしょうか、ものすごい数ですね。そこまで増えてきますとこれはもう社会的な意味を持っているわけで、原田さんがいわれるように、これは社会的にレベルアップをしていかないといけない。
(2) 私は私なりに道の駅はこうあるべきだという考えはあるんでございますが、あんまり決めつけないで、それぞれの皆さん方が自由に地域地域において、これがい いんじゃないか、あれれがおもしろいんじゃないかというふうなことでやっていただくのが、結果的に、いちばん良い。ある程度の時間,紆余曲折というのがあ るんでしょうけれども、ある程度の時間がたてばですね、それぞれのところでバラバラにやっておったやつもうまく連携がとれて、全体としていい形になってい くのかなと、そんなふうに実は思っております。
(3) 道の駅は、やはり地域の顔ですね、地域の玄関といっていいのかもわかりません。道の駅においてさまざまな地域の情報が得られる、様々な人々とのふれあいが そこで起こり得る。現在の道の駅はほとんどそうなっていません。交流機能と情報機能に欠けておる。現在のところ、そういうことで両方の機能に欠けておりま すから、道の駅をもってこれがこの地域だと、地域そのものだというふうにはちょっと心細いですね。
(4) というふうになりますと、道の駅のこれからを考えるときにそれぞれ道の駅が存在する地域というものがこれからどうなるのか、どうならなければならないのか という地域の問題に結局は帰するはずでございます。そんなことで、少し道の駅のことを語っておることでもあり、また地域というものについて語っているのか もわかりませんが、少し時間の範囲内でお話をしたいと思います。
(5) これからの日本は、観光立国でいかなければいけない。私はビジター産業といってるんです。観光業だけじゃなくて、スポーツのワールドカップとか、国際会 議、草の根のなんとか会議とかありますが、そんなの全部ひっくるめてビジター、お客さんですよ,お客さんを迎えるビジター産業といってる。道の駅もそうで すよ。ビジター産業のひとつの地域における核になるような、地域の顔そのものだからね、そんなふうに実は考えておるわけでございます。
(6) 現在は科学文明がものすごく勢いで進んでおります。世界のアメリカ化というのがものすごい勢いで進んでおります。グローバルな市場原理というものがものす ごい勢いで進んでおる。競争、競争、競争だと。これはもう仕方ないですよね。仕方ないというか、これはダメだといっても進むんですよ。ですから、それを前 提にしてどうやって心の問題、魂の問題を入れ込んでいくかということを、これからは考えなければならないんです。
(7)要するに市場原理渦巻く競争、競争のこの世界、科学文明のこの世界と、そういう魂、心の世界とどうやって折り合いをつけるのか、ということがこれから極めて大事になってきておるのではないかと思います。
(8)そういう場所というのは、やはりある種のリズムというのを持ってるんですよね。そういうことです。もともと西田幾多郎の場所の論理というのは、ポトスといってますけど、そういうことなんですね。
(9) コミュニケーションというものが私はやっぱり非常に大事なことではないか。道の駅においても、そういうふれあいだとか、コミュニケーションということをよ ほどしっかり考えていただきたい・・・なと。地域においても、地域活性化の中でやはりそういうコミュニケーション、地域の中のコミュニケーションもありま すけれども、外部の人達とのコミュニケーションというものをしっかりと考えてほしいなというふうに実は思っているわけであります。
(10) 日本の社会は依然として強い。日本の経済は依然として強いと思っております。そう簡単に、妙な具合にならんとぼくは見てるんですけど、フランシス・フクヤ マによって『「信」無くば立たず』という本が書かれたときは、日本が上向きの隆々たるときですからね。日本がなぜこんなに強いのか、世界の中で。ジャパン アズナンバーワン。『「信」無くば立たず』という本は、日本がなぜこれほど強いのかというところも、ずっと世界的視野で分析した本なんですよ。その原因 は、信だと。信用の信です。要するに信頼ですね。いろんな会社人間やグループやOB会やなんだかんだ、趣味の会とか、いろんな会がたくさんありますが、日 本の企業を中心にした、あるいは職場を中心にしてといったほうがいいのかもわかりませんけれども、他にも様々あるんですよ。何も職場だけじゃないんですけ ど、職場を中心にしてグループを形成されて、その中で信頼がある。信頼によって成り立っている社会、それが日本社会だというのが、実はあります。なぜそん な話をするかというと、信頼ネットワーク社会というようなことをいったりしてるんですけど、信頼。これからのいろんな制度を考えるときにいろんな制度があ ると思いますが、制度を考えるときに、あんまり行政に頼らんほうがいいのではないか。信頼をベースにして民間ベースで、グループだとかサークルだとか、そ う思ってもらったらいいと思うんですけど、そういうものでいろんな新しい取り組みをやったほうがいいのではないか。そう思います。
(11) だけど、それだけではいけない。心の問題がある。信用の問題があります。そういう信用の社会をつくらなければいけない。心の社会をつくらなければなりませ ん。魂の世界をつくらなければならない。それには贈与経済です。経済の言葉に贈与経済、ギフトです、贈与、暮れの贈与のあの贈与ですけれども、贈与経済、 これをやらなければならない。私、いろいろ地域活性化の問題、道の駅もそうですけど、いろいろと取り組んできまして、最近になってようやく到達した結論が それです。

注:講演の全文は、http://www.kuniomi.gr.jp/geki/iwai/koen_1031.html

  地域通貨。だから道の駅につきましても、それぞれの駅で自分勝手に地域通貨を、その地域において通用できる地域通貨をおやりになるのがいいのではないか。 それを道の駅のいくつかのところで結ぶようなまた地域通貨ですね。「道(みち)」という地域通貨を出されたらどう、未知倶楽部というのがあってね、「道」 という地域通貨を出されたらどうかなと思ったりしておるわけでございます。そういう地域通貨につきましては、もう全国いくつか、世界でもいろんなものが出 されております。それから、「エンデの遺言」、これもNHKで特番を組みましたね。本にもなっておりますが、エンデの遺言、まだお読みになってない方がお られれば是非読んでください。それから、これはちょっと難しいので、お薦めできませんが、ハイエクの「自由銀行論」というのがあります。ご覧のとおりケイ ンズと対極にあるのが、ハイエクであります。20世紀を代表する哲学者、経済学者であり哲学者であると思いますが、このハイエクのいい方からしますと、今 回小泉さんは郵政民営化をやりましたけど、ハイエク曰く、だいたい中央銀行日本銀行なんかは民営化したほうがいいんだと。それはちょっと極端なことでござ いますけれども、今の制度の足らざるところ、心の部分が足らないわけですから、信用の信の部分が足らんわけですから、それを補うのは地域通貨しかないよう に思っております。そういうことで、道の駅におかれましても、地域通貨というものをひとつ視野に入れていただくのがいいのではないかということを申しあげ て、私の話を終わらさせていただきたいと思います。

 以上で講演要旨は終わる。ところで、その地域通貨であるが,私は,先般,「地域通貨の哲学と実践」と題して拙文を書いた。
http://www.kuniomi.gr.jp/geki/iwai/yokubous.html

 要は,地 域通貨というものは,地域の信頼切符とでもいうべきか、コミュニティーにおけるコミュニケーションがうまくいくための贈与財であり,中央銀行券がないとそ の国が成り立たないように,地域通貨がなければその地域は成り立たない。これからは地域の時代であり地域力の時代だが、市場経済が渦巻く現代において,贈 与経済の通貨がないと,ボランティア活動は長続きしない。ボランティア活動がうまくいかないと,地域医療も,地域介護も,地域教育も,地域産業もうまくい かないのである。
 行政と企業とボランティアは一体でなければならない。地域医療や地域介護や地域教育、そして第6次産業といわれる地域産業がうまくいくかどうか,その鍵を握るのが地域通貨である。そして,私の考えでは,その地域通貨がうまくいくかどうか,その鍵を握っているのが道の駅なのである。

  これからは地域の時代であり地域力の時代である。日本が冒されている現代病は,ニーチェのいう「故郷喪失に起因するニヒリズム病」であるから、その病気を 治すには何よりも・・・故郷を生き返らせることである。その正否を握っているのが地域通貨であり,さらにその正否を握っているのが道の駅である。国力でな く地域力がこれからの日本を救うのだとすれば・・・「道の駅が日本を救う」・・・と言えなくもない。

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