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2012年8月 2日 (木)

ネオゲルマン異教

ネオゲルマン異教

異教という言葉は、キリスト教の立場からキリスト教以外の宗教を呼ぶときの用語ですが、仏教やイスラム教などの世界宗教には使われず、 もっぱらキリスト教布教以前のヨーロッパやアジアで盛んだった多神教を指して使われる様です。
ケルト人は、中央アジアの草原から馬と車輪付きの乗り物(戦車、馬車)を持ってヨーロッパに渡来したインド・ヨーロッパ語族ケルト語派の民族である。そのうちゲルマン人とは、現在のドイツ北部・デンマーク・スカンジナビア南部地帯に居住していた諸部族の事を指す。
ネオというのは新しいという意味であるから、ネオゲルマン異教とは、ゲルマンの新しい宗教運動というように理解しておいてもらいたい。ネオゲルマン異教、すなわちゲルマンの新しい宗教運動は、当初はゲルマン人によって始まった歴史的な運動であるが、今日では、土着の神を信仰する人びとの間に急速に広がっている世界的な動きである。これは誰かが、或いはどこかの組織がコントロールして行われている運動という代物ではなく、お互い触発されるということはあっても、自然発生的に起こっている動きである。これは無視しがたい動きであるし、私たちはこの動きに重大な関心を以て注視する必要があるし、できれば日本でもこれに呼応した動きが出てきてほしい。

このネオゲルマン異教、すなわち北欧におけるグノーシスを理解するには、永年にわたる歴史的背景、とりわけ「神智学」と「アリオゾフィー」というものの思想の流れを知らねばならない。 神智学は、オカルティズム、仏教、ヒンドゥー教の歴史的装置と、当時流行していた自然科学理論、とくに ダーウィン主義・ヘッケルの一元論を、ニュー・エイジ運動と似たようなやり方で綜合していた。「アリオゾフィー」とは、アーリアのArio+叡智 Sohiaの合成語で、神智学と密接な関係をもっていた。彼らは、とくに神智学が主張するような当代のオカルト思想と民族主義的イデオロギーを綜合しよう とした。さらに、彼らは、この綜合にさいし、自分たちの思想構成物に歴史的正当性を付与するにふさわしいと思えた理想化されたゲルマンの原古代を投影させ ていた。 今日、一般的には、アーリア人とは次のように考えられている。

紀元前3000年頃、印欧語を話すある部族が、中央アジアで牧畜生活を営んでいたことが認められ、彼らのうち、ヨーロッパに向かう集団と、中央アジアに 残った集団とに、分岐した。このとき中央アジアに残った集団をアーリア人と称した。紀元前1500年頃、そのアーリア人のうち、インド亜大陸へ進出し定住 民となった集団と、イラン高原へ進出して定住民となった集団、中央アジアに残ってオアシス都市の定住民となった集団、中央アジアに残ってステップの騎馬遊 牧民となった集団、に分かれた。そして、それぞれの地域の先住民と融合し定住した者と、遊牧を続けた者がいた、ことがわかっている。つまり、中央アジア、 インド亜大陸、アフガニスタン、イラン高原、ヨーロッパ等の人々の多くは、アーリア人と関係があると考えてもいい。

ところが、神智学、アリオゾフィー、そして現代のネオゲルマン異教は、ヨーロッパに向かった部族だけを「アーリア人」と呼び、北方ヨーロッパ人であるゲルマン人、ケルト人だけを取り上げて、その末裔だと解釈していることになる。したがって、「アリオゾフィー」というのは北欧に限っての思想であり、今日的にいえば、ヒンドゥー教との綜合という問題が残されている。すなわち、ネオゲルマン異教の思想としては、まだ発展途上にあり、今後はヒンドゥー教、とりわけシヴァ教と連携を模索する必要がある。

なお、現在、ネオゲルマン異教はアメリカインディアンとの連携を中心に世界的な広がりを見せつつあるが、今後の課題としては、シヴァ教との連携のみならず、日本の多神教との連携という問題がある。私は、中沢新一が、「野生の科学研究所」を作り、ネオゲルマン異教の世界的展開に大きく関係してくるであろう基礎的な研究を始めたので、その研究の進展に大きな期待を寄せている。
私は、電子書籍「さまよえるニーチェの亡霊」を書いたが、これはネオゲルマン異教や中沢新一のいう「野生」を意識したものである。

http://honto.jp/ebook/pd_25249963.html

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